ノックビン(ジスルフィラム錠)

アルコール依存症治療薬レグテクトから抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)に変更。強制的に酒を飲めない体質にする訳だから、抑止力の差は歴然。

更生施設とアルコール依存症

      2016/12/10

更生施設とアルコール依存症

更生施設の目的と特徴

経営主体と名称・施設の種別
社会福祉法人特別区人事・厚生事務組合社会福祉事業団が管理運営を行っている生活保護法に基づく更生施設(注I)は、都内に7ケ所あります。もともと、生活保護法(第三八条三項)に基づく更生施設は、大都市等で疾病・高齢・失業等の理由で困窮されたときに利用される施設です。

生活保護法に基づく更生施設(東京都内)
「本木荘」(単身男子70名)
「淀橋荘」(単身男子60名)
「浜川荘」(単身男子180名)
「塩崎荘」(単身男子105名)
「千駄ケ谷荘」(単身男子60名)
「けやき荘」(単身女子50名)
「しのばず荘」(単身男子100名)

施設入所の方法
更生施設は生活保護法に基づいた施設で、実施機関である福祉事務所の措置によって施設入所が決まりますので、施設利用については福祉事務所への相談から施設利用が始まります。
現代社会は底の見えない不況から路上生活者等が増加して、困窮する人々への対応が求められています。都市部では施設不足が指摘され、多くのニーズに応えるために援助が行われていますが、困窮する人々は、住居を失った方、疾病で苦しんでいる方、経済的に困窮している方、失業のために困窮している方、生き甲斐を失っている方々などです。

更生施設の援助
現在の更生施設は「通過施設」としての機能を果たしていますが、更生施設の中には「就労援助」など特化した役割をもっている施設(千駄ヶ谷荘)などもあり、アルコール依存症の治療専門プログラムをもっている施設としては「自省館」(救護施設・単身男子50名)があります。
更生施設では、保護費による衣食住等の現物支給を行いながら、利用者に援助を行っています。

更生施設の援助(援助プログラム)
①住民票の設定
②負債問題の解決・援助
③疾病の通院治療・診察
④年金関係の調査・援助
⑤外部就労の援助
⑥寮内作業の援助
⑦アパートの選定・契約・保証人問題の援助
⑧家族関係の調整・援助
⑨養護老人ホーム・救護施設等、他法施設入所
⑩社会復帰促進事業活用による宿泊所への入所

更生施設の規則
更生施設の規則は「飲酒とギャンブルの禁止」となっています。飲酒とギャンブルは、利用者が落層してきた大きな要因であったり、病状が悪化したり、施設退所後も
今までと同じ生活を繰り返すことでさらに悪化することが多く見られることから、生活習慣を変えるために禁止されています。
更生施設は、アルコール依存症の治療のための専門施設ではないのですが、施設にとって利用者の飲酒がらみの問題・トラブルや疾病の悪化が援助上の恒常的な問題です。
更生施設のアルコール依存症者への取り組みの歴史を振り返ると、ミニー神父によってAAが日本に導入されたのは昭和四九年と言われていますが、利用者がAAに触れ回復を果たしたのが昭和五三年頃のことでした。そして、昭和五六年に塩崎荘でアルコール依存症者への取り組みの一環としてグループワーク(ミーティング)が始まったという歴史をもっています。

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

アルコール問題の分類と対応

施設利用者の特性
施設利用者には、さまざまなアルコール問題の「否認」が見られます。
利用者は、次のようなことを理由に断酒指導の援助を否定します。
「手が震えたことがない」
「幻聴・幻覚はなかった」
「精神病院に入院をしたことがない」「その気になれば、いつでも酒をやめられる!」と言います。
しかし、援助者としてアルコールがらみの病気やトラブルで死んで行く人々を見る中で、アルコール関連問題、アルコール関連疾患、アルコール依存症という『アルコール問題の三重構造』を考えてみました。
(1)アルコール関連問題
アルコール関連問題は、WHOが提唱したアルコールに関連する身体的・精神的・社会問題をくくった概念ですが、施設利用者はアルコールがらみの喧嘩・失業・離婚・事故・犯罪・家庭問題(児童虐待・家庭内暴力)などで落層している人々が多いのですが、彼らは「アルコールに問題をもっている」という認識をもっていないことが問題です。利用者にこれらの実態の理解を求め、アルコール問題を認識させることが必要です。
(2)アルコール関連疾患
アルコール関連疾患は、多量のアルコール乱用の結果生じた糖尿病・高血圧・肺結核・脳血管障害(脳梗塞・脳出血)などの生活習慣病で苦しんでいる症状のことです。利用者の多くは(特に日雇い生活者)、永年、酒がらみの仕事・つきあいにどっぷりと漬かっていた生活を送っていたのです。そのため、アルコール依存症という診断はなくても、凍死・事故死などで死んでいく人も多いのです。施設の援助では、酒害の教育指導と断酒に合わせた内科を中心とする治療を行っています。
(3)アルコール依存症
施設でアルコール依存症の診断名をもった定員の約四分の一程度の利用者は、病院退院者やアパートの単身生活が無理と判断されたり、じっくりとしたリハビリテーションを行うプログラムが計画されたとき、福祉事務所のケースワーカー(CW) ・病院の医師・医学ソーシャルワーカー(MSW) ・精神医学ソーシャルワーカー(PSW)の判断によってARPのプログラムの一環でリハビリ施設として更生施設が利用されます。
施設では、アルコール依存症の治療のために、病院・クリニックと連携を取りながら「治療の三本柱」(外来通院・自助グループ・抗酒剤)によって援助を行っています。
利用者は病院・クリニック等へ外来通院をしてデイケアやナイトケアによる治療も受けながら、AA等の自助グループに通い、施設でも抗酒剤(シアナマイドやノックビン)を服用しながら断酒生活を送ります。
職員の援助場面では、「治療の三本柱」が進んでいることを確認しながら、利用者の疑問や迷いや否認を確認したとき、関係機関との連絡調整を図りながら治療のための軌道修正を行います。

『アルコール問題の三重構造』と援助
施設の援助場面では、援助者が『アルコール問題の三重構造』を理解し、利用者に対して状況に合わせてその説明をした上で必要な援助や治療を行いますが、なかなか施設援助で問題解決が図れないことも多くあります。それを経験すると、次のようなことが理解できます。
(1)アルコール問題の多様性
アルコール問題には家族問題や経済問題・職業問題や児童問題に形を変えて登場してくる多様性があることを理解しておく必要があります。利用者はケガ・疾病・失業などの理由で施設を利用されるのですが、自分がアルコール問題によって被害を受けたことがわからずにいる場合が多いのです。
(2)予測性
アルコール問題の三重構造の全容が見えてくると、利用者一人ひとりの今後のアルコール問題が見えてくるようになります。将来に起きるアルコール問題を予測しながら、利用者には今後起こるかもしれないアルコール問題を伝え、治療や相談についてもレクチャーをするようにしています。
(3)シフト性
施設での援助も利用者T人ひとりの長い人生の「ある一時期」に出会っているだけで、アルコール問題を一人で抱え込まず、周囲にいる多くの専門家に相談をすることが肝心で、その段階に必要な援助をタイムリーに提供することがポイントです。
(4)治療の時期
施設の援助場面で利用者を見ていて思うことは、一人ひとりの利用者が必ずしも治療の最良の時期に施設入所をしている人ばかりではないということです。人によっては「底つき」に時間がかかると思われる人もいますが、いずれにしてもアルコール問題への直面化(confrontation)を図ります。具体的には、アルコール問題の現われ方・症状や治療方法を説明しながら問題への介入を図ります。
(5)最近の施設利用者の特徴
最近の施設利用者の特徴として、次の二点があげられます。
・「増加する若年の薬物依存症者」‥若年の薬物依存症者の治療援助にはDARCや作業所への通所援助を行っています。

DARC‥ダルク=ドラッグ・アディション・リハビリテーション・センターの略。回復を手助けし、「薬物を使わない生き方のプログラム」を提供する施設。
・「高齢者の断酒継続」‥高齢者でアルコール問題をもった利用者も多いのですが、施設の規則としての禁酒を守りながら、老人ホームやアパートで酒抜きの生活を送れるようになる利用者もいます。

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

 - アルコール依存症