ノックビン(ジスルフィラム錠) アルコール依存症治療薬

アルコール依存症治療薬レグテクトから抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)に変更。強制的に酒を飲めない体質にする訳だから、抑止力の差は歴然。

アルコール依存症治療薬(レグテクト,ノックビン)

      2016/12/10

アルコール依存症治療薬(レグテクト,ノックビン)

飲み方のパターンを変えましょう
アルコールを減らさなくてはいけないでしょうか?
飲酒パターンを変えるべきか悩んでいる人は、お酒の効能と害を秤にかけるとよいでしょう。客観的な視点から汀よい点」と「悪い点」を紙に書きだしてみましょう。
もし「悪い点」が「よい点」を上回る場合は、どうしたら飲み方を変えられるかを考えてみるのです。

解決法か、原因か
アルコールは、自分が抱える問題の解決法ですか? それとも原因ですか? お金は酒代に消え、アルコールの影響で脳細胞は壊れてしまうのに、肝心の問題は1〜2時間して酔いがさめると戻ってきてしまいます。
ストレスを解消するためにアルコールを飲んできた人は、アルコールを「敵」とは思わず、むしろ「親友」と考えているかもしれません。しかし、アルコールは緊張や憂うつ感を悪化させるものなのです。

 

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

 

人によっては、問題は飲酒そのものではなく、夫または妻、上司から飲酒について批判されることかもしれませんが、状況がよくわかっていないだけかもしれません。アルコールは記憶をあいまいにさせるからです。おそらく、問題を軽くみてしまっているのか、アルコールが入ったために、自分が何をしたか、何を言ったかさえも思い出せないのでしょう。
普段はなんの問題もなく楽しくお酒が飲める人でも、ときに度を越した量を飲んだり、その場にふさわしくない飲み方をしてしまったりすることがあります。そのような人は、飲んだら最後にはトラブルが起こることを予測するのが難しい、あるいは予測できないのです。
飲酒習慣を変えるべきか悩んでいる人は、お酒の効能と害を秤にかけるといいでしょう。

私はアルコール依存症の予備軍でしょうか?
アルコールのょい点と悪い点をくらべたとき、たいして差がないじゃないかと感じる人もいるかもしれませんが、アルコール依存症に陥る危険性があるかどうかは、ぜひ知っておきたいことです。男性では、日本酒に換算して3〜4合を毎日飲み続けると、10〜15年でアルコール依存症になり、女性では、男性よりも少ない量で、しかも男性よりも早く依存症になる可能性があるといわれています。もちろん、これには個人差があります。アルコール問題が世代間で伝わることも忘れないでください。祖父母、叔父、叔母、そのほか近親者にアルコールの問題があった場合は、アルコール依存症になりやすい体質があなたに遺伝しているかもしれません。

アルコールの「よい点」と「悪い点」
アルコールの量を減らそうかと悩んでいる人は、有利な点と不利な点を秤にかけるとよいでしょう。以下がその例です。
よい点
・酒場の雰囲気が好きだ
・アルコールを飲むとリラックスできる
・1〜2杯飲むと、人と上手に話ができると感じる
・異性に対して多少積極的になれる
悪い点
・お金がかかる
・仕事に悪い影響が出ている
・家族を苦しめている
・性生活に満足できない
・アルコールのせいで気分が悪く胃が痛いことがある

アルコールが原因で問題を起こすようになってきた場合、安全な範囲でアルコールを飲み続けたいのなら生活を根本から再検討しなければなりません。

即、実行です!飲酒量を減らす
飲酒が原因で問題を起こすようになってきた場合、安全な範囲でアルコールを飲み続けたいのなら生活を根本から再検討しなくてはなりません。飲む日数を減らすとか、1度に飲む量を1単位に減らすなどして、せっかくの決意をアルコールにつぶされないようにするのです。
アルコールを飲むときの環境を変えるのもひとつの方法でしょう。決してひとりでは飲まない、飲み友達やアルコールが飲める場所は避ける、などです。

禁酒
一番の策はシンプルに徹すること、つまり「きっぱりとやめる」ことかもしれません。過去にアルコールを減らそうと試みて失敗している人もいるでしょう。ここで成功の秘訣をお伝えします。

なぜやめたいのかを忘れすに
いつなんどきも、「なぜやめると決めたのか」、その理由を思い出して初心に帰ることです。

最も苦しいのは、最初の数日です
アルコールをやめてから数日は、発汗、震え、不安感、胃の不調、不眠、吐き気、嘔吐などの症状に襲われるかもしれません。何日かかけて少しずつ減らす方法だと離脱症状(禁断症状)は和らぎますが、人によっては日にちを決めて一気にやめるほうが楽だと言います。ただし数日間はアルコールを飲みたくてたまらなくなるかもしれません。

飲酒量を減らすためのヒント

過去にアルコールを減らそうと試みて失敗した人もいるでしょう。
以下のヒントを参考にしてみてください。
・「減らす理由」を書き出してみましょう
・現実味のあるルールを決めましょう。たとえば、「土曜日だけ」、「ひとりでは絶対に飲まない」、「1単位以上は飲まない」などです
・家族や友人に助けてもらいましょう
・アルコール度数の弱いお酒に変えましょう
・「いいえ、結構です」と言う練習をしましょう
・ガブッと飲ますに、ちびちびと飲みましょう-ペースを調整してください
・アルコールをたくさん飲む友人は避け、みんなにひと渡りする量の酒を注文しないようにしましょう
・何か食べながら飲むようにしましょう
・気分が暗いときや腹が立っているときには飲んではいけません
・ちょっと羽目をはずしてしまいましたか? そのようなときは、なぜルールが守れなかったのかを考え、繰り返さないようにするにはどうしたらよいかを考えて、もう1度やってみましょう
・どうしても減らせないときは、思い切って1〜2か月断酒してみましょう。そのほうがうまくいくかもしれません。

専門クリニックの調査で、きっぱりと断酒したい人には
・アノニマス(AA)や断酒会への参加が一番効果的だとの報告もあります。

離脱症状(禁断症状)との向き合い方
毎日お酒を飲んでいると、体からアルコールが1日中抜けない状態になります。そのような人が飲酒を中止すると血中のアルコール濃度が下がり、離脱症状(退薬症状ともいいます)が起こります。アルコールはいっさい飲まないという条件であれば、医師の処方する精神安定剤でかなり楽になるでしょう。人によってはアルコールてんかんと呼ばれる発作など、危険な離脱症状がでる可能性がありますので、必ず医師の指示を受けてください(平均よりもやせている人は10〜20単位以下でも危険な場合があります)。
精神安定則は、通常で4〜5日、長くても10日間の服用ですみます。禁酒の第1日目は最も多い分量を飲み、その後だんだんと減らしていきます。最後は、寝る前に1錠または1カプセルを服用することになります。精神安定剤を服用しはじめたら絶対にアルコールは飲まないでください。

睡眠
よく眠れないことがあるかもしれませんが、それが問題になったケースはありません。リラックスする方法として、仕事を休んだり、夜にお風呂で温まったり、好きな音楽を聴いたり、散歩にでてみたりしてはどうでしょうか。たいていは、1〜2週間のうちに通常の睡眠パターンに戻れるでしょう。

規則正しい食事をすること
決まった時刻に食事をとり、果物のジュースや牛乳を飲んでください。カフェインは、アルコールからの離脱をはかっている期間中の不安感を増し、眠りを妨げ、アルコールヘの欲求を高めますので、カフェインを多く含むコーヒーや紅茶はひかえてください。空腹もアルコールヘの欲求に拍車をかけてしまいます。

周囲の人に打ち明けましょう
一番の得策は、断酒したことを、親しい友人や家族に打ち明けることです。アルコールが問題になりつつあったことも正直に認めましょう。「医者からもらった薬を飲んでいるから酒は飲めないんだ」などの嘘はつかないことです。そうしないと、1〜2週間もしたら、また友人からアルコールを勧められてしまいます。

アルコールを断る練習をしましょう
「いいえ、結構です」と言う練習をしておきましょう。これから先、アルコールを勧められたときにきっぱりと断れるよう準備をしておいてください。

がんばり続けること
自己満足は、依存症がぶり返す一番の原因です。2〜3週間の禁酒に成功すると、もうお酒を飲んでもコントロールできると自信がわくかもしれません。しかし、まだ決着はついていない可能性があります。以前の飲酒習慣はあっという間に戻ってきてしまうものなのです。

趣味をもちましょう
ほとんどの時間をアルコールに費やしていた人、または飲むこと自体が趣味だったという人は、それに代わる趣味を見つけましょう。興味のわくことや、過去に中断したものをはじめてみましょう。体を動かすことはとくにお勧めです。

最初の1杯に要注意
成功の秘訣は「最初の1杯」を□にしないことです。

治療・援助を受けましょう
医学的治療
対話と助言
医師は、アルコールが体に及ばす影響について、患者さんの質問に答えてくれますし、アルコールの効用と害を正しく理解できるよう説明をしてくれます。そして、今までの生活パターンを変える決心がついたときは、それを実行するための手助けをしてくれます。

医師は、アルコールが体に及ぼす影響について、患者さんの質問に答えてくれますし、アルコールの効用と害を正しく理解できるよう説明してくれます。そして、今までの生活パターンを変える決心がついたときは、それを実行するための手助けをしてくれます。

離脱症状(禁断症状)に対応する薬物療法

アルコールをやめると決めたら、離脱症状をコントロールするための処方が必要かどうかを医師が判断します。
ジアゼパム(セルシン『武田』)のような精神安定剤(抗不安薬)が処方されるかもしれません。最後の飲酒から24時間までの分として最も多い量を服用し、それから3〜5日かけて徐々に減らしていきます。
精神安定則は、2週間以上続けてはいけません。それは精神安定剤への依存が生じるからです。精神安定則がとても欲しくなり、それがないと不安でたまらなくなるという別の悪循環がはじまってしまうのです。

ビタミン剤
ビタミン剤が処方されることもあります。ビタミン剤は薬局で購入することもできるでしょう。ビタミンB1(チアミン)は、アルコールを飲む人にとって最も重要なビタミンです。
病院では、ビタミンを必要とする脳細胞にいちはやくビタミンが届くようにビタミン剤が点滴によって投与されることがあります。

抗酒剤
物質によっては、アルコールと併用すると非常に不快な反応を起こすものがあります。たとえば、ヒトヨタケのような牛ノコを食べてからアルコールを飲むと、顔が赤らみ、頭と心臓が脈打つような感じがしてきます。ジスルフィラム(ノックビン[三菱ウェルファーマ])という薬は、これと同じような反応を起こします。
適量のジスルフィラムを定期的に服用していると、アルコールを少し飲んだだけで15分もしないうちに顔が赤らみ、頭痛や動悸、呼吸困難などの症状がでて、嘔吐や失神が起こることもあります。これらの症状はとても不快で、心臓病を患っている人や高血圧の治療薬を飲んでいる人には命取りになることもあります。ジスルフィラムは、定められた量を飲みはじめると、効果は長く続きます。フ日たったあともアルコールに対して反応を起こす可能性があります。ジスルフィラムは粉末の薬で、1日に1〜3回、服用します。通常、1週間服用してから医師が薬の量を調整し、毎日飲み続けるか、1週ごとに1週間の休薬期間を設けることになります。
ほかの薬と同様に、人によっては副作用を感じるかもしれません。眠気が最も一般的な副作用ですので、就寝前に服用するのがよい場合があります。
薬を飲み忘れていないか、周りの人に確認を頼んでみてください。まだアルコールを恋しく思っているときですと、わざと忘れるかもしれないからです。家族や上司の目の前でこの薬を飲めば、信用してもらえるでしょう。その場合は、錠剤を水に溶かして飲みましょう。そのようにすれば、舌の下に隠しておいて、あとでペッと吐き出すことはできないでしょう! これは「協力対策法」と呼ばれます。
このような「抗酒剤」を服用することは、「弱さ」ではありません。意志の力だけでは乗り越えるのが難しいと目覚することが「強さ」なのです。飲むか、飲まないかを選択するのはご本人です。抗酒剤を服用する1回1回が、選択を意味するのです。
抗酒剤の服用で禁酒がうまくいくようでしたら、6か月から1年間続けましょう。これぐらいの期間があれば、アルコールがなくても暮らせることがわかるでしょうし、以前の飲酒習慣や飲みたいというきっかけをなくしていけるでしょう。

アカンプロセート
アルコールに依存する人が飲酒をすると、脳のなかで化学変化が起こります。その化学変化を示す離脱症状が「震え」です。
変化のなかには数週間たたないと回復しないものもあります。
睡眠のパターンは回復するのに時間がかかるもので、人によっては3か月たっても正常に戻りません。
神経が過敏になり、たとえば大きな音に飛び上がったりする人もいます。このような長期にわたる脳の変化の影響が、逆戻り(またアルコールを飲んでしまうこと)のきっかけになってしまうこともあるのです。自信も意欲もあった人が、しばらく禁酒をしたあと、またもとの問題飲酒の状態に戻ってしまうことも珍しくありません。
禁酒をはじめて6か月から12か月のあいだにアカンプロセートを使用すると、そのままアルコールをやめられる見込みが高くなります。この薬は定期的に服用しなくてはいけません。アカンプロセートを服用している人が、万が一少量のアルコールを飲んでしまっても、不快な症状はでませんが、アルコールの誘惑に屈することなく、この薬を飲み続けることが大切です。
アカンプロセートは精神安定剤ではなく、薬物依存に陥る危険はありません。1年間服用し続けた人でも、離脱症状なしでやめられます。服用を中止したことで、急に酒びたりに戻ってしまうということもありません。試験も十分におこなわれており、安全な薬と証明されています。
最初の数日間に下痢の症状がでるかもしれませんが、それはたいてい一時的なものです。イギリスでは、アカンプロセートは1996年から使用されています。
ただしアカンプロセートはあくまで補助であって、魔法の薬ではありません。たとえアカンプロセートを服用したとしても、生活のパターンや人間関係を改善していくのは本人の役目です。

ナルトレキソン

ナルトレキソンは、アルコールをきっぱりとやめようと試みる人を対象にした、1日1錠の錠剤です。逆戻り(またアルコールを飲んでしまうこと)を予防するために処方されます。北アメリカでは1995年から使用されており、現在ではヨーロッパの数か国でも使われています。日本の病院処方では、1ヶ月1万円以上かかります。

ナルトレソンはモルヒネに似た構造の化合物で、モルヒネなどのオピオイドイドとオピオイド受容体の結合を阻害する薬です。
麻薬中毒やアルコール中毒など薬物依存症の治療に使用されています。依存症の治療に使う量の10分の1くらいの低用量のナルトレキソンを投与すると免疫力やがんに対する抵抗力を高める効果が報告されています。
繰り返しますが、これも魔法の薬ではありません。なぜアルコールにはまってしまったのか、過去の状況や心理を理解し、それに対応していくプランが不可欠なのです。
イギリスではまだ、ナルトレキソンはアルコール依存症の薬として認可されていません。しかし、特殊なクリニックでは入手が可能です。一部の報道では「ナルトレキソンはアルコールの里がコントロールしやすくなる薬」とされていますが、その点についてはまだ研究が続けられています。しかし、ナルトレキソンを服用中で、アルコールを飲んでしまった人の話では、ストップをかけやすかったということです。ナルトレキソンには、アルコールの快楽や、逆戻りの引き金となるアルコ一ルにまつわる楽しい思い出と結びつく脳での情報伝達の経路を遮断する作用かおるようです。
ナルトレキソンを使用する人の約1割に吐き気の副作用がでます。一過性の症状で、通常は2〜3日で消えます。これは精神安定剤ではありませんので薬物依存になる心配はありません。指示されたとおりに服用することが大切です。とくにアルコールを飲んでしまいそうだと感じる日には、そうすることが重要です。

不安感や恐れに対して
不安感のあった人が、アルコールをやめてから徐々に落ち唐音を取り戻し、特別な処置は必要としない場合もあります。もし、不安や動揺が続くのであれば、緊張をほぐして不安感をコントロールする方法や、恐れを感じることに直面して恐怖心を乗り越える方法(暴露療法と呼ばれる治療法)で解決する可能性があります。
ジアゼパムのような精神安定則は、薬物依存になる危険性があるため避けたほうがいいでしょう。うつ病の薬は、不安感、パ二ック発作、一部の恐怖症に効果があります。抗うつ剤は、乱用されることもなく、何か月または何年も続けて安全に使用できます。
ただし、やめるときは、離脱症状(禁断症状)を回避するために少しずつ量を減らしていかなければなりません。

うつ病の治療
理由もよくわからないのに何週間も気分が沈んだり、絶望感や不安が続いたりするときは、うつ病の治療が必要かもしれません。
これは、運が悪かった日の落ち込みや嫌気とは異なります。それらは、本人が必要以上にこだわらないかぎり、おそらく翌朝にはケロッと忘れられるでしょう。
うつ病の人は、楽しみや喜びを感じることができず、悲観的な考えに縛られ、イライラして疲れやすく、わけのわからない罪悪感をもちます。自分を役立たすと思い、将来に希望がもてなくて自殺を考えたりもします。
不安感のあった人が、アルコールをやめてから徐々に落ち唐音を取り戻し、特別な処置は必要としない場合もあります。それに、うつ病の人は起きている時間が短く、不安を抱えてグズグズと横になってしまう傾向があります。食欲や性欲も減退することがあります。うつ病にとって、アルコールは治療薬になるどころではありません。アルコールは完全に避けるか、もしくはときどき1杯だけ(多くても350mgの缶ビールを1本、もしくはワインをグラスに1杯)におさえましょう。
うつ病は完治できる可能性が十分にあります。カウンセラーや医師、心理学者とおこなう心理療法(「話し合うこと」による治療、精神療法ともいいます)は、問題を冷静にみたり、気もちがどんどん落ち込まないようにしたりするための手助けになるでしょう。心理療法は、自信を取り戻し、他人の言葉や恨みの感情によって心に怒りが生じないように導いてくれます。
うつ病では脳に化学変化が起こりますが、そうした変化は、頭のなかを整頓し、交友関係や毎日の生活から楽しみを見いだすことによって修正が可能です。加えて、抗うつ剤はそれらの化学変化を調整してくれます。
抗うつ剤は、数か月間、使われることがあります。うつ病がぶり返しやすい患者さんには、再発予防のために、数年にわたって使用されることもあります。副作用は、処方された薬によって異なりますが、通常は最初の3〜4日のみです。
鎮静効果がある薬は寝つきをよくしてくれますが、車の運転に支障がでることがあります。そのほか、服用しはじめて1〜2日目に吐き気や不安感を起こすものもありますが、たいてい一過性の症状です。
抗うつ剤は、効果が現れるまでに3週間から6週間かかりますので、続けて飲むことが大切です。

専門の施設
公的病院や民間病院、外来クリニックなどの施設で、アルコール依存症の治療を受けることができます。また各都道府県の精神保健福祉センターには相談窓口があり、情報提供や援助を行なっています。アルコール依存症の治療施設をもつセンターもあります。保健所が相談窓口をもっていることもあります。巻末の『役に立つ情報源』に掲載されている機関のホームページには、全国各地の専門医療機関を紹介しているものもあります。
かかりつけの医師に知られたくないというケースもあるでしょう。専門の施設では、羞恥心や隠し癖を乗り越えるため、集団療法をおこないます。このグループでは、自分と同じ立場の人と交流できます。広い視野からものをみるよい機会でもあり、アルコール抜きの生活をいかに過ごすかのヒントも得られます。
集団療法は、患者さんに強さと自信を与えます。対人恐怖症などの不安障害に悩んでいた人は、自信をもち、前向きに意見を言えるようになるでしょう。
専門の施設は、ご家族とも連絡をとるでしょう。過去の経過やどのような手前けが必要かなどについて、ご家族の視点を理解しておくことは大切だからです。クリニックからご家族に向けてアドバイスがあるかもしれません。

カウンセリング
アルコール問題の相談窓口として、たとえば各自治体には「精神保健福祉センター」が、個別の相談にのったり支援をおこなったりしています。各地の保健所にも相談窓口があります。地域の電話帳やホームページで調べれば連絡先がのっているでしょう(「役に立つ情報源」のページをみてください)。

自助グループ 断酒会(社団法人 全日本断酒連盟)

断酒会は、自分の意志で酒を断とうとする人たちのグループです。断酒会は1958年(昭和33年)に誕生し、今では全日本断酒連盟という全国組織になっていて、会員数は5万人を超えています。相談窓口は、全国の都道府県にあります。
断酒会の活動は、例会が中心です。だいたい20人ぐらいが集まり、酒害体験を語り、そして聞きます。酒害にあった家族も参加して、酒害にあった体験を話します。例会は週に1〜2回(地域によっては毎日)開かれています。この例会に繰り返し参加していくことで、アルコール依存症の人は自分のことを周りがわかってくれると感じられるようになるとともに、自分の行動を目覚し、反省できるようになっていきます。
断酒会のホームページや連絡先については、「役立つ情報源」のページをみてください。

AA(アルコホーリクス・アノニマス:匿名のアルコール依存者たち)

AAとは、真剣にアルコールをやめようと試みる人びとの共同体です。AAに参加するのは、「自分はアルコールの前ではまったく無力です」と認めた人たちです。会合に参加し、わかりやすく賢明な目標(「今日1日を大切に生きよう」など)にそって生活することで「最初の1杯」に手を伸ばさずにいられるのです。

どのような会合がおこなわれるのですか?
雰囲気はとても温かく親しみやすい会合です。同じ内容が何度も繰り返されるのは、アルコールが引き起こす問題を忘れ去るのは簡単なことだということを、アルコールに依存していた人たちは知っているからです。忘れることによって、逆戻りに1歩、近づいてしまいます。AAでは、過去の問題を忘れてしまわないよう、つねに記憶をリフレッシュさせ、過去の痛みをごまかしたくなる誘惑に負けないようにするのです。

宗教とは関係があるのでしょうか?
「霊的(スピリチュアル)」な要素は多少あるかもしれません。
「神」とか「偉大な力(ハイヤー・パワー)」などの言葉を耳にするかもしれませんが、AAに助けられたという無神論者もたくさんいます。AAは世界の国々に存在し、どんな宗教団体とも関連はありません。

どのような援助が期待できますか?
アルコール問題を抱え、克服できないのではないかと不安な人は、AAのメンバーと交流することで希望を得られるでしょう。自分だけの力でアルコールに勝てる人ばかりではありません。AAにたびたび参加し、仲間を支えにして、成功する人もたくさんいるのです。
AAの連絡先は、「役に立つ情報源」のページをご覧ください。

インターネットでみつける援助
インターネットからも役立つ情報が入手できます(「役に立つ情報源」の138ページをみてください)。 AAのウェブサイトからは、あなたにAAが必要かどうか、AAがどういうミーティングをおこなっているかなどの情報が得られます。 SMARTという新しい団体もあります。
SMART(Self Management and Recovery Training)は北アメリカで発足しました。チャットができたり、援助内容の選択ができる活動的なウェブサイトがあります。「アルコールは選択肢である」という人間学的哲学を読んでみるとよいでしょう。
Smart Recovery(SMARTの別称)では、「悲観的な考え方はまちがった選択のもとである!」と敢えています。「ここはひとつ利口になって、今までとは考え方を変えるよう努力しましょう」ということです。
AAのほかにも、自助グループはいろいろあり、ウェブサイトで情報を発信しています。

専門クリニックの調査で、きっぱりと断酒したい人にはAA(アルコール・アノニマス)への参加が一番効果的だとの報告もあります。

キーポイント
■アルコール問題がある人のなかには、お酒の量を減らすことができない人もいます その場合は、きっぱり断酒するために援助を求めましょう。
■断酒の助けになる自助グループは、断酒会やAAをはじめ、いろいろあります。
■AAに参加してみましょう。成功率の高い方法です。
■決意は固いのになかなかやめられない人は、医師に相談して抗酒剤(あるいは欲求をおさえる薬)を試してみましょう。
■家族全員で取り組みましょう。

ご家族、友人、同僚のみなさんへ

隠すことはやめましょう
家族や友人、同僚や上司はたいてい、アルコール問題から目をそらせようとします。とくに最初の段階では、その傾向が強く現れます。本人が事態に気づき、どうにかするに違いないと思っているため、言い訳をしたり表ざたにせす済まそうとしたりするのです。
しかし、依存の傾向が増すに連れ、飲酒はますます進んでしまうかもしれません。奇跡を祈るだけでは解決になりません。同情は助けになるどころか、飲酒に拍車をかけるだけです。アルコールの影響がどのような結果をまねくのかを本人が理解しないかぎりは、同じ失敗の繰り返しになるだけです。
問題を抱える人に自分の人生をみつめるよう具体的に語りかけるのは大切なことですが、相手の感情には十分な配慮を心掛けましょう。アルコール問題以外では、よいところをたくさんもった人だということを忘れないでください。苦情をいう場合は、アルコールに関することだけにしてください。その人の全人格を否定する必要はまったくありません。

家族や友人、同僚や上司はたいてい、アルコール問題から目をそらせようとします。とくに最初の段階では、その傾向が強くあらわれます。

コントロールは逆効果です
酒を飲もうと決めている人には、何をいっても効果がありません。本人の気もちが変わるまでは、どうすることもできないのです。相手を自分の思い通りにコントロールしようとすると、くたびれ、いらだたしい思いをすることになりかねません。もっとも、危険がともなう状況(たとえば、飲酒運転など)には口をだすべきですが。コントロールしようとするのをやめると、エネルギーを消耗せすにすみ、「おまえがうるさいから飲むんだ」、「あんたが偉そうにするから飲まないとやってられないのよ」などの言い訳を聞かすにすむようになります。ただし、生活を変えなければならないということは唱え続けてください。

すべてをオープンにしましょう
アルコールを飲む人は、飲んだ量や起こしてしまった問題に関してとばけてしまうことがあります。たくさん飲むと記憶があいまいになり、全部覚えていないというのもひとつの理由ですが、問題を認めてしまったら、アルコールを減らさなくてはならなくなるのを恐れている場合もあります。
飲酒が楽しく、アルコールが必要だと思っている人たちにとって、禁酒・節酒する羽目になるのは苦痛です。こうしたことから、アルコール依存症は「否認の病気」といわれます。

「否認」と向き合うには
問題に直面化すればするほど、アルコール依存症の人はますます否認する可能性があります。話し合いの場では、大まかな質問からはじめるといいでしょう。「最近、調子はどう?」、「今、困っていることはない?」などから、だんだんと「その問題はアルコールと関係があるのかしら?」と進めていくのです。
タイミングも大切です。本人がカッカしていたり、酔って頭がぼうっとしていたりするときには、まともな話し合いはできません。「問題の起こった翌朝」や「一難去ったあと」はよいチャンスかもしれません。

家族や友人、同僚や上司はたいてい、アルコール問題から目をそらせようとします。とくに最初の段階では、その傾向が強くあらわれます。

限度をはっきりと示しましょう
家族として、または友人として、どこまでは許せて、どこからは許せない、という限度をはっきりと示しましょう。もし非難を受けた場合は、その訴えが正当であるかぎり、自分の非はすなあに認めましょう。ただし、アルコールについての責めを受ける必要はまったくありません。飲むことに関しては、100%本人の責任なのです。
理由もなく脅したり、筋の通らないことで脅迫したりしても、意味がありません。職場では、約束事項は書面に残すのがいいでしょう。家庭では、自分の要望をはっきりとさせ、話し合いに備えます。その場合、飲酒の問題ではなく、みんなで協力して生活が楽しくなるよう、意見を交換するのです。

進展がみられないときは
家庭では、あなたも子どもたちも生活を続けていくしかないということになります。それでも、外部に援助を求める方法はいろいろあります。
家族のメンバーが感情をおさえる努力をすることによって、後悔するようなことをせすにすむかもしれません。本人が節酒できない、または節酒の意志がない場合、夫婦は別れざるをえなくなることもあります。

家族への援助
カウンセリング機関は、アルコール依存若にだけではなく家族に対しても援助の手を差し伸べてくれますし、そのような自助グループも多く存在します。
たとえば、アラノン(Al-Anon)はアルコール問題に悩む家族や友人にとってすばらしい目助グループです。10代の息子さんや娘さんのためにはアラティ一ン(Alateen)という集まりが存在します。日本では全国9か所(ほぼ各地方ごと)に連絡先があります。「役に立つ情報源」のページをみてください。
アルコール問題を抱える人と一緒に暮らすのは、苦労も多く、憂うつなことです。夫や妻、友人や、親戚などがアルコールを飲み続け、アルコールに依存しているのならば、周りの人ができることには限界があります。
アラノンは、ご家族や友人を励まし、罪悪感や怒り、不満などに押し流されないように助けてくれます。自分以外の人に振り回され疲労困憊するのではなく、「愛情とは別問題として考えなさい」とメッセージを与えてくれるのです。
アルコールの隠し場所や、隠れて飲みにいく場所などを教えてくれるわけではありません。しかし、緊張や怒りでクタクタになることが減り、落ち看官を取り戻したと感じることでしょう。

本人が節酒できない、または節酒の意志がない場合、夫婦は別れざるをえなくなることもあります。

キーポイント
・アルコール問題があるからといって、全人格を否定するのはまちがいです。
・ご家族は、はっきりと意思表示をしましょう。
・アルコールを飲むこと自体は100%本人の責任ですが、ほかの人も、筋の通った批判はすなおに受け入れましょう。

未成年者と保護者のかたへ

子どもに関係するアルコールと法律
日本では「未成年若飲酒禁止法」という法律によって、未成年の飲酒は法律で禁止されています。また、同じ法律で、未成年老の親権者や監督代行者は未成年若の飲酒をやめさせる義務があること、酒屋やコンビニエンスストアのようにお酒を販売する店、飲食店やスナックのようにお酒を提供する店が未成年者に酒を販売したり与えたりすることが禁じられていることも明記されています。
イギリスでは1902年の法律設定により、高速道路、公共の家屋、特別区域、公共の場所、ビル、ホテルなどの場所で、7歳以下の子どもを同伴した飲酒は違法となりました。
1908年の児憲法では、(医療目的以外で)5歳以下の子どもにアルコールを使用するのは禁止されました。また、バーなどの場所では、14歳以下の子どもの出入りが禁じられました。1964年の法律設定では、18歳以下のバーでの雇用が禁止になりました。
14歳以上の子どもはバーに入ることはできますが、アルコールを飲んではいけません。16歳になると、レストランでワイン、ビール、サイダーを注文して飲むことができます。中毒性のあるリキュールをIB歳以下の子どもに売ることも禁じられています。
最も交通事故を起こしやすい年齢、18〜20歳の新米ドライバーの法定飲酒許容量を「80mg%以下」または「ゼロ」に落とすべきだという声も上がっています。

未成年者にとってアルコールは魅力的かもしれませんが、問題につながるケースもあります。

なぜ未成年者は飲酒してはいけないの?

未成年者がお酒を飲んではいけない理由は、法律で禁じられているという以外にもいろいろあります。主なものは次のとおりです。
・脳の神経細胞が破壊されます
・肝臓をはじめ、臓器に障害が起こりやすくなります
・男性ホルモンや女性ホルモンに異常が起きる恐れがあります
・アルコール依存症になりやすくなります

では、なぜ大人は飲酒してもよく、未成年老はダメなのでしょうか? それは、アルコールを分解するしくみができあがっていないため、アルコールの悪影響が現れやすいからです。そのため、未成年老は大人よりも急性アルコール中毒やアルコール依存症になりやすいのです。

盛り場、パーティーと未成年者
最近の調査によると、月に1〜2回以上の頻度で飲酒する若者の割合は、中学3年生男子で25.4%、女子17.2%、高校3年生男子51.5%、女子35.9%という結果がでており、未成年者の飲酒が日常化していることが問題になっています(平成8年度未成年者の飲酒行動に関する全国調査。
10代の若者にとって、カラオケやコンパなどは、大人と同じくらい、もしくはそれ以上に生活の一部と化しているかもしれません。その年ごろは、仲間と一緒にいることがとても重要だからです。若者に人気のある場所は、アルコールの売り上げで経営が成り立たっていることもしばしばあります。
早いうちからアルコールの昧を覚えてしまう若者もいます。そのために飲酒運転をして捕まったり、事故を起こしたり、友人と仲たがいをしてしまうことがあります。自分の抱えている問題を解決したくて飲酒をはじめるケースもあります。
しかし、それがこの先長く続き、もっと大きな問題に発展することもあります。内向的な性格を治そうとか、うんざりしたり退屈したりしたときに飲んだりするアルコールも、同じ問題につながりかねません。
自分に問題があるのか不安を感じたら、友人、両親、または学校の保健管理センターなどを通じてカウンセラーに相談をもちかけましょう。そうすれば悩みを解決するほかの方法が見つかることがあります。また、「無口で照れ屋の性格だっていいんだよ」の一言で、事態が好転することもあります。あなたにおしゃべりになって、しゃれを飛ばすようになって欲しいなんて、だれも思ってはいません。
仲間はずれになりたくないと思っている場合、アルコールを断るのが難しくなります。しかし、プレッシャーに負けず意志を通すことで、真の人間性が表に現れます。きっぱりと断る権利はだれにでもあるのです。

ご両親へのアドバイス
アルコールに聞しての法律をよく説明しましょう。たとえば、「満20歳未満の者(未成年者)の飲酒は禁止されている」などです。
未成年の飲酒が法律で禁止されていること、どうして飲酒がよくないのかをよく説明しましょう。
ご自身の飲酒習慣はお子さんへのよい手本になりますか? 子どもは、親の指示に従うよりも、親のすることを真似るものです。
親身な聞き手になりましょう。心の通う会話ができていますか?
未成年者の飲酒は「未成年者飲酒禁止法」によって規制されています。この法律には以下のような記述があります。
未成年者の親権者や監督代行者に対して、未成年老の飲酒を知った場合に、これを制止する義務を規定する(1条2項)。

キーポイント
未成年者と保護者のかたへ
・アルコール問題で悩みがある未成年者は、だれかに相談して助けを求めましょう。
・子どもは、親の指示に従うよりも、親のすることを真似るものです。

アルコールと運転、仕事、法律

飲酒と車の運転
警察庁の統計によると、飲酒運転による交通事故は2006年に11,625件発生しています。
また、2005年に発生した交通死亡事故は6,871件で、その1割強が飲酒運転による事故でした。飲酒運転による死亡事故は、飲酒をしていない場合にくらべて8.7倍、酒酔い運転の場合はさらに高く38倍となっており、飲酒運転による交通事故が死亡事故に至る危険性がとても高いことがわかります。
この10年間で飲酒運転による交通事故は半数ぐらいにまで減りました。それは200フ年に道路交適法が改正され、飲酒運転に対する罰則が厳しくなったためでもあります。とはいえ、悲惨な事故があとを絶たないのも事実です。

飲酒運転とは
日本では道路交通法により、お酒を少しでも飲んだら運転してはならないことが定められています。ますそれを肝に銘じてください。飲酒運転は、「酒酔い運転」と「酒気帯び運転」の2つに分類されます。

酒酔い運転:酒に酔った状態(アルコールの影響により正常な運転ができない恐れがある状態)での運転。この場合、アルコール濃度の検知管には関係ありません。

酒気帯び運転:政令で定める基準(呼気中のアルコール濃度が0.15mg/ℓ以上のアルコールがある状態で運転。

酒気帯び(0.25以上):呼気中に0.25mg/ℓ以上(血中アルコール濃度が0.5mg/mℓ以上、つまり0.05%以上)のアルコール濃度が検出された場合。

酒気帯び(0.25未満):呼気中に0.15mg/ℓ以上0.25mg/ℓ未満(血中アルコール濃度が0.3mg/mℓ以上0.5mg/mℓ未満、つまり0.03%以上0.05%未満)のアルコール濃度が検出された場合。

飲酒運転の罰則
現在のところ、飲酒運転に対する罰則は次のようになっています。なお基準は前歴に応じて変わります。
2006年に起こった飲酒運転による幼い子どもたちの死亡事故がきっかけとなり、飲酒運転は大きな社会問題となりました。
そして2007年6月15日に道路交通法が改正され、9月16日に施行されました。飲酒運転者への罰則が強化され、さらに「飲酒運転者の周辺者」に対する罰則が新たに加わりました。

酒酔い運転:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金。
点数 25点
運転免許の取り消し(欠格期間2年)

酒気帯び運転
0.25以上:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。
点数 13点
運転免許の停止(90日間)
0.25未満:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金。アルコールと運転、仕事、法律
点数 6点
運転免許の停止(30日間)

ひき逃げ(救護義務違反)
10年以下の懲役又は100万円以下の罰金(飲酒ひき逃げの場合最高で懲役15年になることもある)

車両の提供
運転者が酒酔い運転:5年以下の懲役又は100万円以下の罰金
運転者が酒気帯び運転:3年以下の懲役又は50万円以下の罰金
上記の処分は一例であり、過去の交通事故や交通違反の前歴等によって異なります。
また、2007年5月17日、刑法に「自動車運転過失致死傷罪」が新たに設けられ、6月12日に施行されました。自動車の運転上必要な注意を怠り,人を死傷させた場合、7年以下の懲役・禁錮又は100万円以下の罰金が課せられます。同時に「危険運転致死傷罪」が改正され、危険運転致死傷罪の対象が「四輪以上の自動車」から「自動車」となりました。その結果、自動二輪車や原動機付自転車もその対象に含まれることになりました。「自動車運転過失致死傷罪」は不注意で起こした行為が対象になるのに対し、「危険運転致死傷罪」は危険を知っていたのに犯した行為が対象となります。飲酒運転による事故には「危険運転致死傷罪」が適用されます。
このほか、飲酒運転で検挙されると、自動車保険の保険料も上がります。

呼気検査の拒否
道路交通法の改正により、呼気検査の拒否に対する罰則も強化されました。単に乗っている、または乗ろうとしている人が、警察による飲酒検問で呼気検査を拒否したり妨害したりすれば、3か月以下の懲役又は50万円以下の罰金となり、通常現行犯逮捕されます。なお、欧米ではアルコール濃度を血液検査で調べることが多いですが、日本では裁判所が許可した場合に血液検査がおこなわれます。

少量のアルコールならどうでしょうか?
警察庁の研究によると、呼気中アルコール濃度が0.15mg/ℓ未満の低濃度のアルコールでも、運転する人の判断能力が低下することがわかりました。また、同じ酒量でくらべた場合、酒に強い人も酒に弱い人と同じぐらい反応が遅くなりました。酒に強い人は自分では酔っていないつもりでも、アルコール濃度は酒に弱い人と同じですので、影響も同じようにでるのです(科学警察研究所交通安全研究室による「低濃度のアルコールが運転操作等に与える影響に関する調査研究」より)。自らの安全ももちろんですが、他人を巻き込む悲劇をよく考えて、「飲んだら乗るな!」を忘れないでください。

飲酒と車の運転(イギリスの場合)
自動車の死亡事故の25%は、安全基準以上のアルコールが原因となっています。夜中の10時から明け方の4時に発生する死亡事故に関しては、その数字は60%にまで上昇します。それらの死亡事故の大部分が、20〜24歳の若者によって起きています。路上の抜き打ちテストでは、午後10時から翌朝3時までに走行中の17%の運転手から、安全基準以上のアルコールが検出されました。

法定飲酒許容量
イギリスの法律では、100mgの血液中に80mg以上のアルコールが検出される場合(血中濃度80mg%)は、車の運転が禁止されています。これは1ℓの息のなかに含まれる0.35mgのアルコールと同じ量です。
1〜2時間のあいだにビールの大瓶2本程度のアルコールを飲むと、このレベルに達します。最後に飲んでから数時間経過している場合、もしくはたくさん飲んだあとの翌朝でもこの数値を示すことがあります。しかし、同じ量のアルコールを飲んでも酔いの度合いには個人差があります。小柄な人や、空腹で飲んだ人は、高い数値に達するのが早くなります。

検査の拒否
運転をする人が、アルコールの検査を拒否することは法律違反です。飲酒運転で検挙されると、罰金や最低1年間の免許停止、そして自動車事故の保険が上がります。
血中のアルコール濃度が基準の2.5倍を超えていたり、過去10年間に2度目の違反行為であったり、息や血液の提供を拒んだりすると、免許停止が終わっても、アルコール問題がないかどうか医師の診断を仰がなくてはなりません。これは「高リスク違反者対策」と呼ばれています。

許容量以下ならどうなのでしょうか?
許容量の80mg%以下であっても運転に支障がでるのです。約568mlのビールか2杯のワインのアルコールでも、そのときの血中濃度は30mg%程度ではありますが、多くの運転者は反応が遅くなり運転のミスがでてきます。自らの安全ももちろんですが、他人を巻き込む悲劇をよく考えてください。

DVLA(Driverand vehicle Licensing Agency)
運転免許証の申し込みや更新をするときは、てんかん、心臓病など車の運転に影響のある病気の有無を、DVLA(Driverand vehicle Licensing Agency)に報告しなくてはなりません。
そのリストには、「アルコール依存症」、「アルコールの乱用」も含まれます。

DVLAにこれらの病気を告げるか否かは本人次第です。患者の許可なしに医師が直接DVLAに報告することは非常にまれなことです。
アルコールの依存や乱用の問題があると、大型トラックや乗客を乗せる車の免許は取得できません。アルコールをやめたあとも、3年間は無違反でいたことを証明しなくてはなりません。
血液検査と診察の結果、アルコールから完全に抜けられたとみなされれば、普通免許は交付してもらえる可能性があります。DVLAから翌年の身体検査を要求されるかもしれません。

飲酒と車の運転(アメリカの場合)
海外旅行が気軽に楽しめる時代です。旅行中、自由に行動できるよう「レンタカー」を利用する人も増えてきました。大きなキャンプカー(RV)に乗り、一家そろって大自然を満喫するのは外国旅行ならではの醍醐味でしょう。
ここでは、アメリカを例にとって、ついうっかり飲酒運転をしてしまった場合、どのようなことになるのかをお話しします。
アメリカは、州または郡単位で交通規則や罰則などが異なります。ただし、全州を通して現在の法定飲酒許容量は0.08%(80mg%)であり、本書でご紹介したイギリスと同じです。
アメリカでの「飲酒運転」は以下の略称が使われます。
DUI(driving underthe influence)
DWI(driving while intoxicated),
OWI(operating while impaired),
OVI(operating a vehicle underthe influence)
・21歳以下の飲酒運転の許容量は、0.02%(20mg%)とかなり低く設定する地域がほとんどで、なかには0%まで落とした州もあります。 2006年の時点では、全州一貫してアルコールの購入は21歳以上と定められています。
・飲酒運転で検挙されると、留置所での拘束、重い罰金、運転免許の停止または没収などの刑罰があります。違反回数を量ねるごとに刑罰はどんどん重くなります。
・抜き打ちの路上取締りでは、次のような手順がとられます。(州・郡ごとにテストの内容が多少異なる可能性があります)
・警官が目の前にペンを差し出し、運転手がそれを目で追うテスト
・両腕を脇に下げ片足で立ち、30秒数えるテスト
・ 9歩前に歩き、振り返って9歩戻るテスト
・それらのテストで飲酒が疑われる場合は検知器で息の中のアルコールをはかります
・このテストを拒むと50〜200ドルの罰金をとる州もあります
・許容量以上のアルコールが検出された場合は、手錠をかけられ、武器を持っていないかの身体チェックを受けます
・そのまま警察の車で警察署へ連行され、書類の手続き、証拠確保のため再び血液また息の検査をされる場合もあります
この後は各地の規定に基づいた段取りがとられます
NHTSA(N ational Highway Traffic Safety Administration)の統計では、2005年に起こった道路上での死亡事故の39%はアルコールが原因で、16,885人の尊い命が奪われました。これは31分にひとりの割合で命を落としている計算になります。
また、2005年に死亡した14歳以下の子どもの21%は、アルコールに関連する交通事故の犠牲者であったと報告されています。
飲酒運転の減少を目指し、各自治体はさまざまな工夫を凝らします。「逮捕」、「留置」だけでは効果が得られなかったニューヨーク市は、車両の没収制度に踏み切りました。飲酒運転は立派な犯罪であり、それに使われた車は、銀行強盗が使った拳銃や泥棒が空き巣にはいる凶器と同じである、それゆえ没収に値する、という考え方です。この制度が功を奏し、飲酒運転による死亡事故数は減少しました。
「このくらいなら大丈夫」と思って口にしたアルコールのために、せっかくの海外旅行が台無しになってしまうほど残念なことはありません。お酒を楽しんだときは、タクシーを利用するか、もしくはまったく飲んでいない人に運転を任せましょう。
(注:州・郡ごとに法律が異なりますので参考資料として利用してください)

アルコールと仕事

非難や警告
ほとんどの職場では、酔ったまま出社するのは規律違反です。
その場合は書面、または口頭で警告されるでしょう。二日酔いで仕事に支障がでると、非難を受けるでしょう。
頻繁な欠勤も、警告の原因になるでしょう。上司は一定のパターンに気づくかもしれません。たとえば、「月曜はよく休む」とか、「給料日の直後は会社にこない」などです。胃炎、風邪、神経症、ストレスなど、あいまいな理由をつけて会社を休むのも、アルコール問題を抱える社員によくあることです。

職場での対策
多くの企業は、アルコール問題に対する方針を立てています。
その目的は、職場やほかの社員たちの安全を保護しながら、一刻も早い回復をうながすことです。アルコールさえ飲まなければ優秀である社員を、企業も失いたくないのです。欧米では、アルコール問題のある社員の早期治療と職場復帰をうながすため、従業員援助プログラム(EAPプログラム)が広がっています。日本ではまだ多くありませんが、このようなシステムを導入する企業が増えてきました。企業のメンタルヘルス対策を請け負う外部のEAP機関もでてきています。
アルコール問題から立ち直るには、仕事をしているほうが容易です。初期の段階で問題を感知し、解雇がやむをえない状態に至らぬよう対処してくれる上司の存在は貴重です。そうでもなければ、ほかの管理職や同僚は知らぬ振りをするでしょう。本人が気づいてなんとかするだろうと考えるからです。
もし問題が続くようなら、奇跡を祈るよりも、本人に直接話をしましょう。隠し続けたり、こっそり仕事をカバーしたり、言い訳してあげたりするのはよくありません。問題を明るみにするのは、早ければ早いほどいいのです。
懲戒処分の段階まで進んでしまうと、企業側からカウンセリングや職場の専属医の診察を受けるよう求められるかもしれません。
その指示に従う場合、外部の機関(カウンセリング施設や病院)に援助を求めるように指示され、そうした機関から経過の報告書が会社に提出されることになるでしょう。報告書には、個人情報ではなく、カウンセリングや治療に通っているか、アドバイスに従っているかなどの内容が書かれます。

キーポイント
・法定飲酒許容量に満たなくても、運転中の注意は散漫になります。飲酒したら絶対に運転してはいけません。
・飲酒運転で法律違反を犯すと、免許停止、罰金という罰則が科せられ、自動車保険の保険料が上がります。
・アルコールが原因で社員の勤務に支障がでたときは、そのことを隠さず、オープンに対処しましょう。

役に立つ情報源

もっと情報を得るにはどうしたらよいでしょうか?
みなさんの参考になるような組織・団体の連絡先をあげておきましょう。しかし、それらの細かい方針までは熟知していませんので、活動内容の保障はできません。問い合わせをされるかどうかは、ご本人の判断と選択にお任せします。

精神保健福祉センター
全国の自治体にはアルコール問題の窓口として精神保健福祉センターがあります。連絡先は次のとおりです(アイウエオ順)。
全国の精神保健福祉センターは次のサイトで調べられます。県だけでなく、市の精神福祉センターものっています。

アルコール健康医学協会
〒113-0033 東京都文京区本郷3-25-13グラン、フォークスV本郷ビル4階
Tel : 03-5802-8761  Fax:03-5802-8763
http://www.arukenkyo.orjp/
厚生労働省と財務省共管の社団法人で、正しいお酒の飲み方に関する知識の普及と、未成年者の飲酒を防止するための活動をおこなっています。
ホームページには、お酒と健康についての情報や、適正飲酒の
10か条、図書などが紹介されています。

健康・体力づくり事業財団
〒105-0001 東京都港区虎ノ門1,25-5 虎ノ門34MTビル6階
Tel:03-3591-7154
Fax: 03-3591-フ155

健康づくり・体力づくりにかんする正しい知識の普及と啓発をおこなうための事業を推進しています。ホームページにインターネットを活用した「健康ネット」を設けてあり、最新の健康情報を豊富に提供しています。たとえば’`たばこ・お酒”のページでは、お酒のと健康、お酒の飲み方に関する情報があります。

久里浜アルコール症センター
〒246-0841 神奈川県横須賀市野比5-3-1
Tel : 046 -848 – 1 550
Fax:046 -849 -7743

アルコール依存症の治療をおこなう日本の代表的な病院(独立行政法人国立病院機構)です。ホームページには、アルコール科でおこなわれている治療システムが紹介されています。

全日本断酒連盟
〒101-0032 東京都千代田区岩本町3-2-2
エスコート神田岩本町101号
Teに03-3863-1600
Faxl03-3863-1691
http://www.dansyu-「enmei.or,」p/
具体的なことは、この本の第6章「飲み方のパターンを変えましょう」をご覧ください。ホームページでは、各都道府県の相談窓口が探せます。
アルコホーリクス・アノニマス(無名のアルコール依存症者たち)
AA日本ゼネラル・サービス・オフィス(JSO)
〒171-0014 東京都豊島区池袋4-1フー10土屋ビル4階
Tel : 03-3590-5377

アラノン家族グループ
アラノンジャパンGSO
〒145-0071大田区田園調布2-9-21
〒100-8694 東京中央郵便局私書箱1900
Tel:03-5483-3313
Fax:03-5483-3315
http://homepage3.nifty.com/al-anon/
ホームページには、全国9か所にある連絡先のほか、行事やミーティング場の案内が掲載されています。アラノンの援助が必要かどうかを判断できるページもあります。

ASK(特定非営利法人アスク アルコール薬物問題全国市民協会)
〒103-0007東京都中央区日本橋浜町3-16-7ー7F
TEL:03-3249-2551
FAX:03-3249-2553
ASK電話ガイド:03-3249-2552 月〜金 10:00〜16:00(アルコール問題の相談先や自助グループを紹介)

アルコールだけでなく、依存性のある薬物問題を予防するための活動をおこなっています。ホームページでは、アルコール依存症の予防と回復、イッキ飲み・アルコールハラスメント、飲酒運転防止などの情報、通信講座のようなアルコール問題予防のためのプログラムを紹介しています。子ども向けのページもあります。

 

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

 

 - アルコール依存症