ノックビン(ジスルフィラム錠) アルコール依存症治療薬

アルコール依存症治療薬レグテクトから抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)に変更。強制的に酒を飲めない体質にする訳だから、抑止力の差は歴然。

アルコールとの付き合い方

      2016/12/10

アル中恐怖症にならないために

睡眠薬と併用しない

上手な飲みかたを話すまえに、「こういう飲みかたは危険です」という飲みかたを述べておきます。
それは、アルコールによる酩酊だけでは満足できなくて、いろいろの薬を併用してより深い酩酊あるいは、よりバラエティのある酩酊を求める飲みかたです。
代表的な例は、睡眠薬といっしょにお酒を飲むクセ。これはたいへん危険です。なぜなら、向精神薬の複合効果、たとえばアルコールとバルビツールとか、アルコールと精神安定剤などを組み合わせた場合、代謝過程、つまり、体内でいったいどうなっていくのかについて、まだわからない面があるからです。
アルコールだけの酩酊であれば酒乱におちいらないはずの人が、ほかの向精神作用のある薬物といっしょに飲んだがために、酒乱におちいるということもあります。あるいは、突然、昏睡状態にはいるかもしれません。慢性中毒としては、肝臓などがはやく侵されることは確実です。
昭和三〇年ごろには、まだ酒が高価で両足するほど飲めなかったためか、著名な作家が、睡眠薬を服用しながら飲用する習慣をもっていたということが知られ、これをまねる人が少なくありませんでした。当時は、向精神薬の複合毒性についてほとんどわかっていなかったのですが、その後研究が進んで、きわめて危険なことが、いろいろの角度から解明されています。

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複合毒性がでるから、カゼ薬といっしょに飲むのも危険
また、案外気がついていなくて、ときどき問題をおこしてはいないかと心配になるのは、そのほかの薬、とくにかぜ薬との併用です。カゼ薬のなかには頭痛を止めたり、ぜきを止める物質がはいっていて、そのなかには向精神作用をもっているものがあります。ですから、お酒を飲むときにカゼ薬を飲んだとしたら、複合毒性という思いがけない事故につながるということにもなりかねないので注意してほしいと思います。
例をあげると、カゼ薬のなかには、抗ヒスタミン剤を合んでいるものが少なくありません。抗ヒスタミン剤には抑制作用があって、眠くなることはよく知られています。まだ明確な資料はありませんが、もし併用して、両者、あるいはそのどちらかを大量に使用すれば、強い抑制がくるのではないかと推測されます。
また、鎮咳(ちんがい)剤に使われるエフェドリンは、交感神経系に働くものです。いまのところ、アルコールはエフェドリンに桔抗するので、エフェドリンの副作用である不整脈や、血圧上昇を防げる、といわれています。しかし、これも過剰に使用されれば、循環器系に影唇がでるかもしれません。
むかしは、アルコール自体の治療効果とともに、ほかの薬との複合効果を利点と考えたり、少なくとも、服用しにくい薬を服川しやすくする目的で添加したりしましたが、アルコールは、飲料として大量を長期にわたって使用する可能性の多いものであることを考えれば、慎重にならざるをえません。

ほろ酔いを楽しもう
さて、酩酊を楽しみながら、しかも、アルコール依存におちいらないように、上手にお酒を飲むにはどういうところに気をつけたらよいかという心得をお話ししましょう。
まず第一には、ほろ酔いを楽しもうと思って飲む習慣をつけることです。お酒を味わうといってもよいかもしれません。お酒を味わうということが、ことぱどおり味覚的な意味なのか、心理的効果を合んでいるのか、人によってちがうでしょうが、いずれにしてもほろ酔いとか、味わうという姿勢が大切です。そのためには、長い時間をかけて少しずつ体のなかにアルコールを入れる、という飲みかたをします。そういう飲みかたをしているかぎり、アルコールはそれほどこわいものではありません。
しかし、酩酊の後半におこる強い抑制作用を求めるということになると、アルコール依存がはやまります。
そういうことから、アルコール依存は、お酒を飲むと必ずおちいるというわけではないことがわかるでしょう。飲みかたが大切なのです。
なにがなんでもお酒を飲むことをやめさせようと、アルコール依存の深刻な面をみているものは口にしがちですが、飲みかたにさえ気をつけていればそれほど害にならないはずです。ですから、禁酒を強調するよりは、上手に飲ひという考えかたを、常に忘れないほうがいいと思います。

食事をしながら飲もう

第二に、お酒を飲むときは、なにをいっしょに食べるかということです。日本人は、すきっ腹に飲むという習慣があります。食べる物にしてもわりに淡白なもの、塩気の多いものを酒の肴にして飲みます。そしてほろっと酔っぱらうと、盃をふせて食事をする、という習慣があります。つまり、食前酒です。ところが、ヨーロッパやアメリカの人たちはそういう飲みかたをしません。動物性のたんぱく質や、脂肪の多いチーズとか牛肉とか、いろいろバラエティに富んだものを食べながらお酒を飲んでいます。
最近は、健康についての情報が豊かになったので、「わたしはそんな飲みかたはしません」という日本人がふえています。とてもよいことです。
アルコールの問題を考えるときには、食べ物の問題といっしょに考える必要があります。食べ物をとり、おなかがやたらとすかないようにしておく、栄養のバランスのとれたものを食べてアルコールの害を食べ物によって防ぐ、ということです。お酒を飲もうと思ったときには、同時に、なにをいっしょに食べるかということに頭がまわるように習慣づけることは、大切なことです。
血中アルコール濃度を上げないためには、くだものの用意が必要でしょうし、チーズや揚げものなどで、消化器からの吸収をゆるやかにするくふうもよいでしょう。また、ビタミン不足にならないように生野菜などをつまひことも考えましょう。

うすいアルコールのほうがいい

日本以外の国、とくにアメリカで、酔っぱらって問題をおこす人たちが飲んでいるアルコールは、ウォッカやジンのようにアルコール濃度のひじょうに強いものが多いようです。一方、ワイン圏のアルコール問題は様相がちがっていて、心理的依存はなく、飲酒習慣から直接身体的依存にはいるようです。
まえにも述べましたが、日本では、アルコールの消費量がどんどんふえているといっても、いままでのところ、そのふえている大部分はビール、ついで清酒、三番目はウィスキーです。ウォッカとかジンは、日本人が飲むアルコールのなかでは、ごく特殊な例です。ワインは急速に伸びてきていますが、もともと絶対量が少ないのですから、伸び率が大きいのは当然といえるでしょ

となりますと、日本の酔っぱらいと日本以外の国の酔っぱらい(少なくとも欧米諸国の酔っぱらい)とでは、飲んでいるアルコールがちがうということは明らかです。
そうしますと、清酒はとにかくとして、いちばん多いビールで、アルコール依存までいってしまうのかどうか、という疑問がでてきます。
まえに述べたアメリカ型、あるいは工業社会化におけるアルコール依存が、ビールでおきるとは、わたしには考えられません。
ドイツ人は、ビール好きで有名ですが、ドイツは、ワイン党のフランスやイタリアに比べ、アルコール依存者が少ないのです。アメリカやヨーロッパでは、ビールをアルコール飲料視していないところからみても、危険性は乏しいといえましょう。
ですから、たんに「アルコールの消費量がふえてきたから、アルコール依存者が増加する」という警告のしかたには、多少問題があると思います。もしも、ウォッカとかジンとかいったアルコール濃度の強いお酒がふえてきたなら、「こういうものは、あまり飲まないほうがいいですよ」という警告が必要だと思います。
最近の若者たちの飲酒傾向をみますと、ビールのつぎには、清酒ではなく、ウィスキーが多いようです。ウィスキーは、だいたい四〇度をこえる強いアルコールですが、彼らはストレートでぐいぐいという飲みかたはあまりしていません。四〇度のウィスキーも、かりに三倍の水で割れば、清酒よりもアルコールはうすくなりますから、よいことだといえましょう。
焼酎も最近人気がでてきましたが、これもお湯で割って飲むほうが、同じ理由で望ましいと思います。

ダラダラとけじめのない飲みかたはよくない
第四には、お酒を飲む時刻を定めておくことです。つまり、朝からダラダラと飲み始めるというように、機会さえあれば、時間にけじめなく飲むということをしないことです。依存予防以外の面でも、会社でほかの人が働いているときに酩酊していては、トラブルのもとです。ダラダラとけじめのない飲みかたこそ、アルコール依存におちいるもとですから、おたがいに抑制しあったり、飲む必要性がそれほどないときにはお酒を飲むことを警戒しあう、ということによって、仲間同士でアルコール依存を防ぐべきです。

ビールなら一日二本、清酒なら二合が適量
第五には、当然のことながら、アルコール量をふやさないことです。これには、一日の量、あるいは一週間の量を定めて、バランスのとれた飲みかたをすることが必要だと思います。一日、量としてビール二本、あるいは清酒二合までというところでしょう。そして、一週間に一日か二日は酒をぬく日をつくることもたいせつです。

自分に適した飲む速度をみつける
第六には、飲む速度の問題です。アルコールはピッチをはやめて飲めば、酩酊ははやくきます。また、深く陥町します。これがアルコール依存におちいる原因となりますので、飲む速度も上手な飲みかたの大切な要素のひとつです。
速度について、こういう実験があります。一合(180ミリリットル)の清酒を、(こういう飲みかたはふつうしないのですけれど)一時間かけて飲みます。このとき、血中アルコール濃度は、ずっと、0.03〜0.04のあいだを保っていて、絶対におかしな酔いかたはしないということです。体質や体重の点で個人差がありますから、自分に適した飲む速度をみつけて、それを習慣化するのがよいでしょう。
ここで少し血中アルコール濃度について説明しますと、ウィスキー200ミリリットルを飲んで2時間ぐらいは完全に酪配の状態ですが、それから約2〜4時間後も、お酒を飲み終えたときと同じような酩酊の状態が続きます。飲み始めてから約八時間たって、アルコールが血中から全部でてしまうということは、つまり、朝、目をさましたときに、アルコールが休中からぬけているという状態です。そういうことから考えますと、まえの晩にお酒を飲んだとしても、翌朝、快適に目がさめるという実感を身につけていって、そのペースを自分なりにつかひようにすれば、問題はおきないということになります。以上述べてきた飲みかたを、心得としてもっていただいて、お酒を上手に飲み、楽しんでもらいたいと思います。

暑い地方では、酒量をひかえる
ひとつ考えておかなければいけないのは、日本は北から南と地形が長い国なので、同じ国のなかでも、お酒の飲みかたは、一律にはいかないということです。東北から北海道にかけての寒い地域とか、四国、九州、さらには沖縄などの暑いところでは、多少飲みかたを変えなくてはいけないと思います。
そこで、多少心配になるのは、暑いところで飲酒することに問題はないだろうか、ということです。世界的にみて、暑いところでお酒を飲むのは、先進国との深い接触があったところばかりです。たとえば、テキーラを飲んでいるメキシコ人は、スペイン文化やアメリカ文化と接触がありました。まえにも述べましたが、熱帯の島々(ポリネシアとかメラネシア)では、以前はお酒はありませんでした。その理由には、先進国との接触がなかったこと、発酵させてもすぐに酢になってしまい、醸造酒をつくりにくいということがあります。
暑いところでお酒を飲むというのは、アルコール代謝に多少ちがいがあるのではないかと考えられます。少なくとも、暑いところのほうが代謝ははやいようです。
ですから、暑いところでは寒いところと比べて、飲酒量をへらさないと酩酊がはやくくるでしょうし、それをくり返していると、アルコール依存におちいることも考えておかなくてはならないでしょう。
わが国では、沖縄のように、東京近辺と比べてかなり気温が高いところでも、強いお酒を飲んでいます。こういうことがなぜおきたのかということを、アルコール依存を防ぐためにも研究する必要があると思います。世界的にみれば、暑いところの人は寒いところの人よりも飲酒量が少ないのです。しかし、日本では、東京と大阪をのぞくと、秋田、山口、高知、広島、新潟、鳥取の諸県の人ロー人当りの消費量一が高いのです。これらの諸県の共通性は見つけにくく、今後の研究が待たれます。

もっとも手近な緊張のほぐしかた
いままでお酒の飲みかたについて述べてきましたが、現代の社会生活においては、精神的緊張がひじょうに高まるということが避けられないとすれば、抑制効果のあるアルコールを使うこともやむをえないとも考えられます。とくに工業化された社会での日常生活では、精神的緊張が第一次産業社会に比べて、かなり頻繁にやってくるといえましょう。
たとえば、第一次産業社会での最大の緊張が、天候に対する心配によるものだったとすれば、その緊張は年に何回かという程度の頻度でしょう。しかし、工業社会においては、一日のうちに何回か、見知らぬ人と話をしなくてはなりません。あまり気の合わない上司や同僚が、机を並べています。ときには思いがけない問題で、こごとをいわれます。このように、緊張する度合いはかなり高くなっています。
その緊張のサィクルも、一年のうち何度ではなくて、一日のうち何度とやってくるということになります。
そうすると、われわれはやはりどこかで息抜きをしなくてはいけないわけです。しかし、その息抜きも、豊富な自然がまわりにあれば、自然のなかでほぐれる、あるいは気分を解きほぐすこともできるでしょう。また、宗教の信仰によって緊張をやわらげるということも可能かもしれません。
しかし、現実にわたしたちの大部分は、自然環境がそれほど残ってないところ、場合によってはないといっていいところに住んでいますし、現在の日本人の大部分は、この信仰によって自分の生活のバランスを崩さないように取り計らうとこともあまりないと考えられます。
そうすると、ここで化学的な物質が緊張をやわらげてくれることを知れば、それに手をだす人がいても、当然の成り行きといえましょう。そのことを不思議がったり、ましてやとがめたてたりするということはできない、と考えられるわけです。はじめから巾しあげているように、アルコールには緊張を緩和するという意昧での薬としての性格があるところから、しかも薬として売られているのではなくて、嗜好品として身近なところで売られているところから、これにひとときの安らぎを求める人がいるのは当然のことだと思うのです。
お酒を飲むことによって、わたしたちは、緊張の強い毎日の生活を切り抜けていると考えてもおかしくないでしょう。

アルコールは敵ではない
だとすれば、上手な飲みかた、上手な使いかたを、われわれ自身が考えだせばいいということになります。もちろん、アルコールには、むかしから薬としての側面がいくつか取りあげられてきました。たとえば、食欲を促進する目的で食前酒として使われるとか、また、日本の歴史のなかでは、カゼ薬として卵酒が使われていました。「酒は百薬の長」という考えかたは、飲酒習慣のあるところならどこでもあります。フランスでは、プランデーを薬として使う習慣が、いまもあるようです。
現在の日本でも、脳貧血をおこしたときに、気つけ薬としてプランデーを少し飲ませて、血液の循環をもとにもどすといったことが、アルコールに関する知恵として、ヨーロッパから輸入され、残っています。
それはそれとして、今日のように緊張の高い、そしてそれが持続する開発国で生活しているわたしたちにとって、緊張緩和を求めてお酒を飲むことは、必要なことなのかもしれないのです。このことが、アルコール依存におちいる大きな原因であることはまえにも述べたとおりですが、しかし、使いかたさえあやまらないで(依存におちいる飲みかたはしないで)、アルコールの抑制作用を上手に利用して緊張を緩和すれば、わたしたちの生活をより健康的なものにできると思うのです。
あるいはまた、長いあいだの生活の知恵で、対人関係をつくっていく媒体としてアルコールが使われています。上下関係の人とか、警戒心のある同僚と話しをしなければならないときに、緊張を緩和するとともに、酩酊の初期の気分の高揚を利用し、新しいふれあいを生みだし、多少ぎくしやくしがちな対人関係を円滑なものにする意味で使うことは、要請すらされていると考えられるわけです。それで、そういう今日的な意味と、わたしたち日本人の社会生活の伝統のなかにすでに定着しいるもの(冠婚葬祭のときにお酒をくみかわす習慣など)をうまく組み合わせていけば、日本人の日常生活にとってアルコールのもっている意味は、かなり前向きの方向でとらえることができるだろうと思います。
そのためにも、やはり依存性の予防と処置に十分留意しながら、アルコールを使うくふうをしなくてはいけないと考えます。
つまり、緊張の連続だからといって、いつもアルコールにばかりだよっていると、まえに述べたように依存性がつきますから、アルコールにたよるだけではなくて、ほかの方法も、自分の日常生活のなかに折り込んでいくことが必要だと思います。
つまり、自分に考えられるいくつかのレジャーや手段を準備して、そのなかのひとつとしてアルコールを使うということが基本的な考えかたになるだろうと思います。
まわりくどくいったかもしれませんが、要するに緊張緩和の手段として、交際の道具として、楽しみとして、もちろんおいしい飲料として、アルコールを認めましょう。しかし、アルコールだけを、便利だ、安直だからといって、多用しないことが肝心なのです。きわめて平凡な結論になりますが、アルコールぬきで遊べばよろしいのです。
いわゆる飲んべえは、ほかの遊びのときにもアルコールを併用します。マージャンをやりなが飲む、競馬場へ行って飲む、本を読みながら飲む、汽車や飛行機に乗っていても飲む。そういった相乗効果を楽しむ気持ちもわからなくはありません。しかし、これは、依存に一歩ふみこんだ状態といえるでしょう。

〔まとめ〕
⑴睡眠薬とアルコールを併用すると、ひじょうに危険である。
⑵お酒を飲むときに、カゼ薬を服用すると、複合毒性という思いがけない事故につながる可能性がある。
⑶アルコール依存にならない上手な酒の飲みかた
・「ほろ酔い」を楽しむ。酒を味わって飲む。
・食事(栄養のバランスを考えて)をしながら飲む。
・朝酒をしない。飲む時刻をきめておく。
・一日の量、あるいは一週間の量をきめておき、バランスのとれた飲みかたをする。また、週に二日、
・飲まない日をつくる。
・ピッチをはやめないで、自分に適した速度で飲む。
・アルコール濃度がうすいもの(ビール、清酒)を飲む。濃いものはうすめて飲む。
・暑い地方では、酒量をひかえる。
⑷アルコールは、もっとも手近にある緊張緩和の道具であるからといって、それだけに頼らず、ほかの遊びにも目を向けよう。
⑸アルコールは、飲みかたしだいで人生の伴侶となる。

 

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