ノックビン(ジスルフィラム錠) アルコール依存症治療薬

アルコール依存症治療薬レグテクトから抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)に変更。強制的に酒を飲めない体質にする訳だから、抑止力の差は歴然。

入院か外来かここで決める

      2016/12/10

入院か外来かここで決める

外来だけで治療できる条件

外来への通院だけで治療するには、どんな条件が必要ですか。
ここではどのような患者さんであれば通院治療が可能であるかを述べておきましょう。
通院による治療を可能にするにはまず、本人が不承不承ながらも、アルコール外来に診療のために訪れて、自分がアルコール依存症ないしアルコール症にかかっていることを認めて、断酒を決意して通院をつづける覚悟が必要です。
いやがる本人をなんとか説得して、外来受診にまでもっていくのはたいへんな作業です。連続飲酒発作のさいちゅうや、まだ酔いが残っている場合には、この作業を行うのは逆効果です。しかし、こうしたときでも本人は「このままではたいへんなことになる」という自覚はもっているものです。だから二日酔いの朝には、その反省によってうつ状態になるのではないでしようか。
こうした反省がすこしでもきざしたタイミングをとらえて、本人からアルコール外来受診の約束をとりつけてください。または、その前段階として保健所への相談や、断酒会、A・Aに出席する約束だけでもとりつけてください。それでも、本人がどうしても保健所へでかけたり自助グループに参加しない場合は、たとえ家族だけでもさきに保健所や自所グループに酒害相談に行くべきです。保健所のワーカーや自助グループのメンバーが自宅を訪問して、本人を説得してくれる地域もあるのです。

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

自助グループの緊急援助
A・Aや断酒会による緊急援助は、どのように行われるのですか。
わが国のA・Aや断酒会など、自助グループの活動のスタートは、本場アメリカにくらべて、30〜40年おくれました。したがって、緊急援助は個人の熱意によるケース・パイ・ケースのもので、システムとしてはまだととのっていない段階にあります。これは、その地域ごとに自助団体の組織状況や活動ぷりが、まだまちまちだからといえるでしょう。そこで、地域にどんな自助団体があり、またどんなアルコール専門の病院や外来があるのか、さらにどんなサービスをうけられるかなどについては、いちがいにこうとはいえません。自分の居住地にかんするこうした情報は、管轄の保健所や精神保健センターがもっています。まず家族が保健所や精神保健セシターの酒害相談を利用することをおすすめします。緊急援助活動もふくめて、必要な情報を教えてくれるはずです。

最初の受診でのやりとり
本人がお医者さんの前にあらわれたら、まずどういうやりとりがあるのですか?
なんとかして、アルコール外来に患者さん本人があらわれたら、それからは精神科医の腕のみせどころとなります。この、最初の受診での医師の作業は、いかにして本人に自分が病気であるとの自覚をもたせるか、そして断酒への決意をかためさせるか、つまりどのように治療へのモチベイション(動機づけ)を行うかという作業です。
こうした場合、主治医と患者さんとの丁々発止のやりとりは、主治医–患者の人格とのふれあいまでがかかわる、とても人間くさい作業となります。
この作業には十二分に時間をかける必要があります。このやりとりで患者さんに断酒のモチベイションができれば、治療は半分成功したといってもよいのです。反対に、どうしてもモチベイションができないとすれば、外来での治療をつづけていけないことになります。
患者さんにモチベイションができないときには、その後、二つのやりかたがあります。まず、緊急に医療をうけさせなければ本人の身体面や社会面に大きな問題が生じるようなときは、入院の説得に切りかえることになります。また、それほど緊急ではないとみられるときは、いったん本人を帰宅させ、再度のチャンスがきたときに動機づけをやりなおすことになります。
私は、こんご本人が飲酒をつづけた場合、健康面でも社会面でも重大な不利益をこうむる状態にあることを十分に説明し、そのうえで酒をやめるのは本人の自由であるとつきはなす方針をとっています。つまり、酒をとるか命と仕事と家族をとるかは、本人の自由にまかせるのです。しかし、こうした段階では、今日は酒をとって明日は命をとる、などのあいまいな選択はもはや許されないようになっています。そして、命と家族をとると患者さんが決意すれば、医師は、禁断症状や不眠のための精神安定剤や、物理的に酒を飲めなくする抗酒剤などをだすことで、ほんのチョッピリだけ、患者さんの手助けをすることができると説明します。
この考えかたは、アルコール外来での長いあいだの治療経験から得た私の実感です。

冷たいように聞こえるかもしれませんが、かけねなしの本音であり、決しておどしやかけひきなどのハッタリではありません。はじめは、「命などもう惜しくない」と強がっている患者さんも、「ほんとうにそう思っているのなら、じゃんじゃん飲んでもいいよ」とつきはなすと、「それじゃやめますから、やめるくすりをください」といいだすことが多いのです。

アルコール依存症治療中の再飲酒のきっかけ

治療をはじめた患者が、ふたたび飲みはじめるのは、どんなきっかけからですか。
はじめのうちは、抗酒剤をのんで断酒していても、いろいろな理由をつけて、すなおにくすりをのまなくなったら要注意です。たとえば、その理由として、抗酒剤の副作用をいいたてるなどです。たしかに抗酒剤には副作用がありますが、これはごく軽いもので、皮膚過敏症で真夏の紫外線にあたると日光性皮膚炎をおこしたり、ムシに剌されたあとがかぷれやすくなる程度です。ふつう、7〜10mlの一日量を半分に減らせば、症状は消えます。くすりをやめる理由にはなりません。
「もう自信がついた。治ったから」「抗酒剤にたよっているときはほんものではない。おれはそんなに意志は弱くない」「おれをそんなに信用できないか」などという人もいます。これは、かならずしもその日の帰りにお酒を飲もうという下心からいっているわけではありません。酒飲みは、いつでも飲めるからだにしておかないと、なんとなく心淋しいという心理があるようなのです。私はこうした場合、アルコール依存症の患者さんの妻に「あなたは自信があるのでしょう。しかし、あなたのお酒にノイローゼになっている私(家族)を安心させるためだけでも、抗酒剤をのんでください」といわせることにしています。「過敏になりすぎている家族の神経を静めるために、のむ必要のない抗酒剤をのんでやるのだ」という理屈で患者さんのめんつを立てると、なんとかくすりをのみつづけるものなのです。
「家族の誓い」でもみたように、日本のアルコール依存症の夫には、「家族のために命よりだいじな酒をやめてやっているのだ」という心理があり、「おれがこれだけがんばっているのだから、子どもはもっと勉強しろ、妻ももっと心のこもった料理をつくれ」と家族ぐるみの協力を要求する傾向があります。日本では、「夫のアルコールは、夫自身の問題だからA・Aのミーティングで。それでかき乱された私たちの問題は、アラノンのミーティングで」と、夫婦のアイデンティティが分離したアメリカのようにはとてもいきません。とくにこれは、旧世代の夫婦にあてはまるようです。事実わが国では、夫の断酒でとりもどした家庭の平和をしごくとうぜんのこととは思わずに、夫が命よりだいじな「酒断ちの業」を行っていることへの理解と思いやりとを、いつまでももちつづける家族の存在が、患者さんの断酒を長つづきさせているともいえそうです。
ところで、はじめにあげた夫の理屈やおどしに負けて抗酒剤をやめるのを黙認すると、そのうちに患者さんは全社の帰りにこっそりお酒を飲み、こそこそとふとんにもぐりこむようになります。少なくともこの段階で、夫の再度の飲酒ときっぱり対決して、アルコール外来にひっぱってきてください。ここで断酒の再動機づけをやりなおす作業をついおこたると、つまりは妻が飲酒を認めたことになり、つぎからは居直ってどうどうとお酒を飲むようになります。そして妻に週一日の飲消日を認めさせるのです。やがて、週末だけの約束のはずのお酒が、週二日になり、週三日になり、ついには毎日になって、あっという間にもとのもくあみになります。

●治療での禁酒のもつ意味
アルコール依存症では一滴も飲んではいけないのですか。節酒ではアルコール依存症の治療は不可能というのは、なぜですか。考えてもみてください。アルコール外来にひっぱってこられるようなアルコール依存症の患者さんは、適当なところでお酒を切りあげる(つまり節酒)ことができなくなっているからこそ、病院のお世話になるのです。連続飲酒発作がどうしておこるのか、その生物学的な背景はまだ明らかではありません。しかし、依存をおこすメカニズムがいったん大脳にすりこまれてしまうと、一滴でもアルコールがはいればふたたび連続飲酒発作がひきおこされるようになります。
人一倍強い飲酒への誘惑にたとえ一度でも負けると、いままでせっかく抑えこんでいた「からだのなかの酒の虫」がとたんにあばれだします。
例をあげておきましょう。
アルコール病棟に入院して九年間断酒に成功していた人がいました。ところが、彼が宴会でトイレにたったすきに、悪い仲間がその人のコーラにウイスキーをたらしこむという罪深いいたずらをしたのです。その結果、その人は10日後からくるったようにお酒を飲みだし、再入院になってしまいました。私はこの事例から、長いあいだ断酒していたアルコール依存症の人でも、たとえ一滴でもアルコールを飲むと「からだ中の血が騒ぎだしておさまらない」という恐ろしさを実感させられました。 もともとアルコール依存症になるような人は、飲みたいという心理的欲求が異常に強いのです。すでに何度か触れましたが、その欲求行動にブレーキをかけているのは、意志の座である大脳の前頭葉です。アルコールは薬理学的にみると麻酔剤であり、しかも神経学的に高次なはたらきをもつ大脳新皮質から麻酔していきます。つまり車にたとえれば、アルコールはブレーキをこわしてしまうのです。ですから、ふつうの酒飲みでも、つい、もう一杯もう一杯とあとをひきます。人一倍飲酒欲求が強く、依存のすりこみができあがっているアルコール依存症の人で、このブレーキが外れれば、たちまち
暴走して谷底に転落死するまで酒がとまらなくなるのは明らかでしょう。
アルコール依存症の治療は、ほんとうは節酒でやれるのが理想です。しかし、このようなわけで、じっさいには選択の余地はありません。一生ぴしゃりと断酒して生きのびるか、飲みたいだけ飲んで生命を失うか–アルコール依存症になった人には2つに1つしかないのです。それほどきびしい治療なのです。

断酒成功と抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)

生涯にわたる断酒をつづけるうえで、抗酒剤はどのような役割をもっているのですか。 生涯にわたる断酒をどうつづけていくか–
これを助ける方法には、①抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)によってからだが物理的に酒をうけつけなくする方法、
②心理的に飲めなくしていく自助グループヘの参加、があります。
物理的に飲めなくする抗酒剤の場合、少なくとも半年単位でくすりをのむ必要があります。というのは、アルコール外来にくるような人は、長いあいだの飲酒で前頭葉のはたらきが麻庫して、怒りっぽく、ブレーキのかからない旧皮質人間に人格が低下しているからです。こうした人から、アルコールがすっかり抜けて、前頭葉のはたらきが回復してくるには、少なくとも三ヵ月はかかります。
アルコール依存症の患者さんは、完全に断酒してから少なくとも三ヵ月以上たたないと、前頭葉のブレーキが回復してきません。これは、久里浜病院のアルコール病棟が経験的に3ヵ月の入院期間を設定していることからも明らかです。入院した患者さんは、禁断期を脱してからも1カ月はいらいらと怒りっぽい時期(刺激期)がつづき、やっといちおう落ちついて退院するまでに、少なくとも3カ月はかかるのです。
しかし、その後も一年近くは、お酒を飲んでいたころに身についた自己中心的・独善的で浅薄な対人関係のゆがみが残ります。A・Aではこれを「ドライ・ドランク」といいますが、お酒をやめていても、以前の酔っぱらっていたときとおなじような考えかたや行動がしばらくつづくと考えなければなりません。

●自助グループ参加のときのこころがけ
自助グループヘの参加にさいして、「このようなこころがけで」という必要な覚悟のようなものはありますか。
自分の対人関係のゆがみに気づくには、断酒会の集会で他人からそれを指摘されたり、あるいは新人の発言にかつての自分の姿をみる「ミラー効果」などが役に立ちます。また、A・Aはこ一のステップで段階的に対人関係のゆがみを認識し、改善していくプログラムをもっています。
私は、アルコール外来に通院しながら一年間ほど熱心に断酒会隼会に出席するうちに、お酒による性格のゆがみが消えて、まるで別人のようになったケースを何例もみています。うわべだけのきれいごとではなく、腹のなかを洗いざらい集会でぶちまけるという真剣なとりくみをする人にとって、隼会はエンカウンター・グループ(集団心理療法のためのグループ)も及ばぬ効果をあげるのです。
また、依存症になるような人は、内気で、素面では文句のひとつもいえないような神経症的な傾向をもった人が多いものです。こうした人が集会のなかで発言できるようになると、対人恐怖的な弱点が克服されて自信がつき、みちがえるように明るくなります。
このように、理性のはたらきが徐々に回復し、対人関係のゆがみが改善されるまでには、少なくとも一年間はかかります。本人にとってはあせらないことがたいせつですし、家族にはその回復を温かく待つ忍耐が必要です。また、そのあいだにストレスから再飲酒に走ったりしないように、抗酒剤を一年近くのみつづけたほうがよいでしょう。

●断酒と生活上の注意
断酒を成功させやすくするために、生活のうえで注意したほうがいいことはありますか。
アルコール依存症の患者さんが命よりだいじなお酒を長期間断つためには、アルコールに依存してきたこれまでの生活態度をIハ○度かえる決意が必要です。ことに、依存症の人には趣味のない人が多く、素面の時間をどうすごしたらよいかわからなくて悩むことが多いようです。
これには、①いつもお酒を飲んでいたので、趣味を開発する時間がなかったケースと、②もとは趣味をもっていたのに、お酒によって趣味から遠ざかっていったケースがあります。もともと趣味のあった人はその趣味にもどればよいのですが、趣味のなかった人の場合、趣味や新しい生きがいをみつけさせる必要があります。
現代はストレス過剰の時代です。趣味やスポーツなどで毎日気分転換して、こころの復元力をつけないと、ふつうの人でもたちまちストレスから精神異常の水中に沈められてしまいます。

適応行動と異常行動

適応行動と異常行動↑

 

大きなストレスにさらされたとき、積極的適応の手段をもっていれば、正常と異常を分ける水面下に沈むことはありません。これにたいして、消極的発散しかやっていない人は不適応状態になりやすいのです。

もともとアルコール依存症とは、消極的な発散法、つまり飲酒にたよりすぎ、それがアダになってついに精神病レベルのもっとも重い不適応をおこしたものです。幸いに正常の状態に浮上できたら、こんどこそ「飲む、打つ、買う」の三道楽ではなく、その上のレベルの積極的な適応法で日ごろのストレスを発散して
ください。そうしないと、また飲酒への逃避におちいってしまいます。「すまじきものは宮仕え」といいますが、たいていのサラリーマンは職場で欲求不満を味わわされるものです。そこで、サラリーマンは欲求不満によるストレス解消のために、積極的な適応法が必要なのです。
もっともよいのは、なにかをつくること、つまり創作・.創造的活動です。
銀行員にして作詞者であった小椋桂のような才能はないとしても、最近流行の自分史を書いたり、あるいは短歌や俳句をひねる手もあるでしょう。娘のつかい古しのピアノで作曲すれば、あんがいヒット曲ができるかもしれません。目と指をよくつかう画家は、高齢になっても活躍している人が多く、「日曜画家」をめざせば、ふだんから脳の老化防止を行っていることにもなります。
創作的活動は、このように「自己実現欲求」をおおいに満足させますが、それにつぐものは趣味やスポーツです。会社の帰りに会員制の高級スポーツクラブにたちよる余裕はなくとも、帰宅して畳の間で愛用の釣竿を伸ばして目を閉じれば、渓流のせせらぎがまぶたに浮かぶなど、ちょっとした時間とくふうで気分転換はできるものです。雨が降れば庭でクラブは振れませんから、碁や将棋などの室内遊戯をたしなむのもよいでしょう。若いころに修行をつんで上達しておけば、プロ棋士とまではいかなくても、盤上でちょっぴり自己を実現する芸の境地を味わうこともできます。
よい趣味をもつことは将来のボケ防止にも役立ちます。そこで、戸外と室内二つの趣味をもち、同時に頭脳系と筋肉系をくみあわせるなどバラエティーに富んだ趣味をもつのがベストなのです。また毎日の気ばらしだけでなく、週末のテニスやバードウォッチングなどのほか、盆や正月には大旅行にでかけるなどのふんぎりも必要です。

アルコール依存症の治療がうまくいった例

◇生活態度や価値観をがらりとかえた
A氏、62歳、会社役員
彼は一流大学卒で、大手企業から数登則に子会社の役員に出向しました。営業担当重役でつき合い酒も多くなり、からだをこわしたため、高校の同級生だったある総合病院の外科部長が自分の病棟に入院させて面倒をみていました。しかし、最近は気力も低下して、仕事の判断にも問題がでるようになり、私のところに紹介されてきました。
私はのっけから、このまま総合病院に入院をつづけるか、それとも久里浜病院のアルコール病棟に転院するかを、彼自身に選ばせることにしました。
その結果、「このままつじつま合わせの入院をつづけましても、結果はすでにでているようなものです。心機一転のためにも、ぜひアルコール依存症センターを紹介してください」と、彼も人生の節目にきているのを感じたらしく、久里浜病院入院コースを、みずから選びました。
軍隊式グループ療法である久里浜病院の三ヵ月入院コースは、海軍兵学校から大学に編入という経歴をもつA氏にとって、青春時代の江田島精神を思いださせたようです。コースが終わったとき、すっかり日に焼けてたくましくなって外来にもどってきました。彼は、いまもきちんと断酒をつづけていますが、思いきってラインから外れて、監査役にしてもらったのがよかったとのことです。
ところで、「なぜお酒をやめていられるか」という課題は、「なぜいままでお酒に依存していたのか」という設問の裏返しです。それが性格上の問題点と深く結びついているケースでは、精神療法や断酒会による人格の切磋琢磨が必要ですが、この患者さんの場合には、出向先の会社で成績を上げねばというあせりがあったと思われます。きまじめで手抜きのできぬ性格のうえに、「ワークホリック」になりやすい世代でもありました。
A氏とおなじ年輩で、不眠のために睡眠剤をだしていた証券会社の営業部長がいましたが、彼も調査室長にかわったとたんにあまりくすりをとりにこなくなりました。この人も、やはりつき合い酒で肝臓を悪くして内科にも通っていましたが、いまはすっかり体調もよいということです。
からだの病気でもこころの病気でも、病気になるのは、それまでの生活に病気になるだけのむりがあるからなのです。したがって、大病をしたら、それまでの生活をすっかり切りかえないと病気は治りません。
アルコール依存症の場合も、仕事にたいする価値観や生きがいまでもふくめて、根本的に生活態度をかえることが必要です。これは、ほんらいすべての病気の療養に共通することで

◇趣味や生きがいをもった
B氏、55歳。大企業のブルー・カラー。
B氏は10登削の四五歳のときから、肝障害や糖尿病などお酒を原因とする成人病があり、そのために私が勤務する総合病院の内科に入退院をくり返していました。その何度めかの入院中に、内科部長から紹介された患者さんです。
この数年来の彼の勤務成績はさんたんたるもので、「退院後にまた飲酒したら退職届を書く」という一札を上司からとられているほどでした。
B氏のいちばんの問題点は、長年の飲酒によってボケがはじまっているのではないか、と思われる点でした。顔は土気色で生気がなく気だるい表情で、私のいうことをいったいどれだけ理解しているのか、はなはだたよりがありません。
CTスキヤンで調べてみると、脳にたしかに萎縮がみられました。長期間の飲酒で脳が縮むと、B氏のように、情意が鈍麻して性格変化がおこるのです。しかも、断酒をつづけるにはかなりの精神的なエネルギーが必要なので、このような患者さんの治療成績はあまりよくありません。
「また飲んで会社をクビになったら、ヒマになって酒びたりになる。いっそうボケがすすんで50代で老人病院行きだよ」といちおう説得しましたが、あまり期待はもてませんでした。
ところが、彼は私の予測を裏切って、きちんと外来に通って抗酒剤をのみ、酒を断ちつづけたのです。
そこで、彼の断酒が半年以上つづいてから、どうやって酒をやめられたのかをたずねてみました。
B氏は、酒を飲むことだけが生きがいで、趣味などの気晴しの手段をまったくもだない人間だったそうです。いつも飲んでいるから、帰宅してもなにか趣味をやろうという気にもならないし、また、趣味がないから手もちぶさたでますます酒がすすむという、酒飲みに多い悪循環がありました。
彼は、私からひまにしているのがいちばんいけないといわれ、とりあえず、だいぶいたんできた家の修理をやることにしたそうです。根が器用だったとみえ、小手調べに物置きの修理をはじめ、それがうまくいき、最後には台所の本格的な改造までやりとげたそうです。その後、近所の依頼された大工仕事をい
ちおう終えると、こんどは狭い庭で菊をつくり、盆栽を置き、熱帯魚にもこりはじめたといいます。
在職中に息子さんを結婚させるのがB氏の念願でしたが、現在では息子さんの結婚式もすませ、ぶじに定年退職することができました。
「先生、忙しくて退屈しているひまもありませんよ」と、現在でも目を輝かせて報告してくれます。
いまでは顔色もツヤツヤして、入院中とは別人のようです。酒をやめたので血糖値も安定し、体調もよく、これが、さらに断酒をつづけるモチベイションをたかめているのでしょう。

このようなうれしいみこみちがいは大歓迎です。一般的にいって、ブルー・カラーの人には、医師のアドバイスにすなおに従う人が多いので、インテリよりもかえって断酒成績のよいことが多いといえます。

治療成功(断酒成功)の割合
アルコール依存症になって、じっさいに断酒に成功するのはどのくらいの割合ですか。
コラムの二つの症例は、治療がたいへんうまくいった例です。しかし、ほんとうは、こうした事例よりもうまくいかない事例のほうが多いのです。長期に断酒に成功しているのは、アルコール外来通院患者の3分の1〜4分の1というところでしょう。
しかし、最近は、アルコール専門の病院や外来施設、あるいは断酒会やA・A、アラノンなどの自助組織がふえてきたため、以前のように重症になって精神病院に入院するようなケースは少なくなってきました。これも、早期治療による効果が上がってきたからなのですが、そのかわりに、古参の断酒会員からは、「最近の若いメンバーは気軽にお酒をやめるかわりに、地獄の苦しみを知らないので、また気軽に酒を飲むようになってしまう傾向がある」という指摘もうけています。最初は気軽な再飲酒でも、ついには精神病院に入院して家族を絶望に追いこむこと
になります。そのあげく家族解体のどん底になれば、立ちなおるにはたいへんな苦しみを味わわなければなりません。このことを肝に銘じて、早めに断酒してください。

アルコール依存症Q&A

アルコール依存症とは?

Q1.アルコール依存症と常習飲酒とは、どうちがうのですか。
アルコール依存症は、常習飲酒の段階をとおりこして、「自分ではやめようと思っているのにやめられない」、つまり飲酒にたいするコントロールをまったく失っている状態です。進行すると、「からだが酒を求めて、酒が切れると禁断症状をおこす」身体的依存にまですすんできます。

Q2.私は、月曜日以外毎日、おちょうし2本の晩酌をしています。それで酔うほどではなく、つきあいで飲むときもその程度の量しか飲みませんが、こういう飲みかたでもアルコール依存症になりやすいのでしょうか。
清酒二合以内の酒量で、しかも1週間にまる1日間のドライ・デイ(休肝日)をとっていれば、肝障害などの成人病をおこしたりすることはほとんどありません。高齢にならないうちは、アルコール依存症はまず大丈夫でしょう。しかし、アルコールが体内から完全に抜けるには48時間かかるといわれていますから、週のうち丸2日間休肝日をもうければ、もっと安心です。それに、休日でも朝から飲酒しないようにしましょう。

Q3.義弟は、そうしょっちゅう飲むわけではありませんが、一度飲みはじめると何軒もハシゴをし、夜明けごろに帰ってきて、かならず忘れ物をしたり、服を破ったり、けがをしたりしています。こういう飲みかたは、アルコール依存症ではないのでしょうか。
こうした飲みかたは問題飲酒型です。とくに、昨夜の飲酒中の行動がまったく想いだせない「ブラック・アウト」が多くなったら、思わぬ事件をおこして会社を辞めざるをえないなど社会的不適応先行型のアルコール依存症といえます。ことに、記憶のない期間が長く、人がかわったように乱暴になるタイプは、「病的酷町」の疑いがあり、危険です。一度専門医の診断をうけてください。

Q4.アルコール依存症と急性アルコール中毒とは、どうちがうのですか。
急性アルコール中毒は、お酒を飲んだときに一時的におこる「異常酷酎」や、泥酔による中毒死などをいいます。アルコール依存症とは、飲酒をくり返すうちにおこってきた慢性期の飲酒問題の代表的なもので、むかしは「慢性アルコール中毒」とよんでいました。

Q5.アルコール依存症が、じつはうつ病などの他のこころの病気の症状、あるいは代償であるということはありますか。
対人恐怖的な神経症の患者さんやうつ状態の患者さんが、精神安定剤のかわりにアルコールをガブ飲みする、いわゆる「渇酒症」などの症例もたしかにあります。そうした人には精神安定剤や抗うつ剤が効きますから、すこしでもこころの病気が疑われる場合には、精神科を受診することがたいせつです。

アルコール依存症になる人・ならぬ人

Q6.私はお酒を飲めません。夫が飲むこと自体には反対ではありませんが、なぜグデングデンになるまで飲むのでしょうか。
日ごろ、内心のストレスを押し殺して愛想のよいサラリーマンを演じていると、たまにはその仮面や浮世のしがらみをかなぐりすてて、思いきり酔っぱらって暴君に変身したいという願望はだれにでもあるものです。しかし、その回数や程度がだんだんエスカレートするようであれば、カウンセリングの必要があるかもしれません。

Q7.若いうちに飲みはじめると、短い期間でアルコール依存症になるというのは、ほんとうですか。
ほんとうです。神経細胞は、若いときほどアルコールにたいする耐性が弱く、このために未成年の飲酒を防止する法律があるのです。崩壊家庭の場合には、小学年のときから飲酒をはじめ、中学年ですでに禁断症状まで進行した事例もあります。最近のお酒の自販機やCMの増加は目にあまるものがあり、これが未成年の飲酒の増加につながっていることは由々しき問題です。

Q8.女性のほうが早くアルコール依存症になりやすいそうですが、それはなぜですか。
男性のアルコール依存症の患者さんは、定期的飲酒をはじめてから平均20年で依存症として入院しています。これにたいして、女性の患者さんは平均八年で入院と男性より短くなっています。最近の研究では、これが女性ホルモンの影響であることがわかってきました。女性ホルモンはアルコールの代謝を抑制するので、とくに閉経期になるといくらでも飲めるようになってしまいます。いい気になって飲んでいると、アルコール依存症になってしまうのです。

Q9.月経の前後は、お酒に弱くなるというのはほんとうですか。
女性には、生理前後に気分が動揺して飲みたくなる人がいますが、月経前期の女性では女性ホルモン(エストラジオール)が多量に血液中にでているので、アルコール脱水素酵素の活性が低下して、酒に弱くなっています。こうしたときに飲むと、少量の酒で深い酷町感を昧わえるため、それが病みつきになってアルコール依存症になることがあります。

Q10.娘が仕事のつきあいでお酒を飲んでくるのですがjての回数がだんだんとふえていくので心配です。「結婚すればやめるわよ」といっていますが、むかし飲んだお酒が赤ちゃんに影響することはありませんか。
むかし飲んだ酒が赤ちゃんにちょくせつ影響することはありませんが、飲酒の習慣がある時期に妊娠した場合には、おなかの赤ちゃんに影響がでる可能性があります。とくに、女性のアルコール症の患者さんが妊娠してもお酒を飲みつづけている場合は、流産が多く、また低体重、低身長で知能障害をもつ「胎児性アルコール依存症」の赤ちゃんが生まれてくる可能性があります。出産予定のある女性は、お酒をやめたほうがいいでしょう。

Q11.毎日お酒を飲みながら、アルコール依存症にならない人がいるのはなぜですか。
アルコール依存症には個人差が大きく、たしかにご質問のような人もいます。アルコール依存症にならない人は、体内でアルコールを分解するはたらきが強く、また、お酒に逃避しない積極的な生きかたをしている人でしょう。しかし、そうした人でも、アルコールの分解能が低下する50〜60代になっても酒量を落とさないでいると、依存症になってしまいます。けっきょく、お酒の好きな人で生涯アルコール依存症にならずにすむ人とは、自分の年齢や体調を考えてお酒をコントロールできる人たちといえるでしょう。

Q12.お酒で、「こころがやられる人」と「からだがやられる人」とがいますが、どうしてそういう違いがあるのですか。
ストレスがたとえば胃にくるような人はアルコール依存症に、神経がたかぶって不眠やうつになる人はアルコール依存症になりやすい傾向があり、これは生まれもった体質によるちがいです。人間にはだれしもどこかに弱い器官があり、からだにくるタイプの人と神経にくるタイプの人があるのです。

Q13.アルコール依存症になりやすい性格というのは、あるのでしょうか。
心理テストの結果などから諸説がありますが、とくに依存症になりやすい性格として特筆されるものはありません。しかし、不適応をきたしやすい「こころの弱い人」がお酒にたよりすぎると、アルコール依存症になってしまいます。要はお酒に逃避してしまう消極的な生きかたが問題なのです。

Q14.夫の父親がアルコール依存症だったそうです。夫はいまのところたしなむ程度ですが、アルコール依存症が遺伝することはありませんか。
お酒に強い体質、弱い体質、まったく飲めない体質はたしかに遺伝します。日本人の場合、これは、五割、四割、一割の比率であらわれます。これは遺伝的にアセトアルデヒド脱水素酵素の活性の高いNN型、低いND型、まったく分解できぬDD型の三つのタイプがあるためです。父親が酒に強いNN型でも、母親が酒に弱いND型かDD型であれば、その子どもさんは酒に弱いND型になる可能性があり、こうしたタイプはアルコール依存症にはなりにくい体質といえます。したがって、父親がアルコール依存症だったからといって、子どもがアルコール依存症になりやすいということはありません。

Q15.芸術家にはアルコール依存症が多いのに、政治家のアルコール依存症はほとんど聞いたことがないのはなぜでしょうか。
とことんまで自分の芸術的境地をつきつめる戦前タイプの芸術家は、ぎりぎりまで自分を追いつめるので苦しくなり、酒に救いを求めることが多く、アルコール依存症になった人も多かったようです。しかし、最近のサラリーマンタイプの芸術家には、戦前ほどアルコール依存症になる人はいなくなりました。これにたいして、もともと政治家は人と人との周旋を業としているため、なにごとにも現実的で、酒におぽれる人は少ないようです。しかし、つき合い酒がもっとも多い職業なので、体力が落ちても酒量を加減できない人では、まれにはアルコール依存症になる人もいるようです。

アルコールと体の病気

Q16.肝臓以外でも、お酒を飲んでからだをいためることはありますか。
アルコールは、肝臓ばかりでなく、すい臓や、腎臓、心臓などあらゆる内臓をいためて、高血圧、糖尿病、胃潰瘍、心筋梗塞などの成人病の原因になります。アルコールが原因でこれらの病気をもつ人は、「アル中予備軍」ではなく、「からだのアル中」なのです。

Q17.少量でも毎日のようにお酒を飲んでいた人が急にお酒をやめると、なにかからだに害はありませんか。
お酒をやめてしばらくは、不眠や軽いうつ的な状態がでることがあるかもしれません。ほうっておいてもよくなりますが、苦しければ精神科医を受診してくすりをもらえばらくになるでしょう。

Q18.アルコールが原因となるからだの病気に、男女差はありますか。
男性では胃潰瘍や肝硬変、慢性すい炎とそれによる糖尿病など消化器系の成人病が多いのにたいして、女性では高血圧や心疾患などの循環器系の病気が多いとされています。これは、女性ホルモンのエストラジオールの影響と考えられています。お酒を飲むと、脳細胞が死んでいく数がふえてボケやすいというのは、ほんとうですか。
深酒の翌朝は、脳細胞のなかの結合水が六割も失われて脳が縮んでいます。これをくり返せば、脳によいわけがありません。その証拠に、アルコール依存症の患者さんの脳のCT検査を行うと、かなりの割合で脳萎縮が認められます。これらの脳萎縮はとうぜんボケの原因になりますが、アルコールの影響が大脳だけでなく記憶にかかわる脳幹の乳頭体に及ぶと、コルサコフ症候群という特殊なボケがおこってきます。

アルコール依存症からの脱出

治療のために入院しなければならないのは、どんなときですか。
外来だけではどうしても断酒ができず、ほうっておくとからだの病気が悪化したり、会社をクビになったり、離婚になりそうな社会的ピンチのときです。

Q21.アルコール依存症から立ちなおった人でも、一滴でもお酒を飲むと、またもとにもどってしまうといいますが、ほんとうですか。
ほんとうです。9年間お酒をやめていた人が、仲間にだまされてチョッピリ飲まされてから、再飲酒がはじまって再入院したケースさえあります。

Q22.依存症の患者が断酒するためには、集団療法が必要とのことですが、一人で治療することは不可能なのですか。個人でできる段階と、こうなったら個人ではだめという境界のようなものはありますか。
前項で紹介したケースの患者さんは、自助団体に所属せずに九年間お酒をやめていました。国立久里浜病院へ入院したことをよほど真剣に反省したのでしょう。しかし、自助団体に所属していたら、再飲酒のピンチにも相談相手がいて、あるいは入院せずに立ちなおれたのではないかと思われます。どういうタイプの人が一人でやっていけるのかはいちがいにいえませんが、グループに属していると、お酒をやめつづけるためのよい刺激をうけることができるのと、ピンチのときにみんなに相談できる利点とがあります。

Q23.夫は、家族からみるとアルコール依存症だと思いますがヽ本人にその自覚がなく、断酒会や医者のところにつれていくことはできそうもありません。どんなことからはじめたらよいのでしょうか。
まず家族がアルコール外来を受診して、夫がほんとうに依存症といえる段階なのかどうかを診断してもらうことです。また、近くの断酒会やA・A、アラノンなどの自助団体や、保健所や精神保健センターの酒害相談所に、はじめは妻だけでも行ってみることです。さまざまなケースについて、どうしたらよいかのノウハウを教えてくれますし、力も貸してくれます。

Q24.アルコール依存症の夫にたいして「してはならない何ヵ条」というのがありますが、私にはとてもまもれそうにありません。依存症から脱出した人の奥さんは、みなさんがあんなにりっぱなのでしょうか。
「してはならない何ヵ条」は、断酒会の奥さんたちが過去の試行錯誤を反省して、自分たちがやってきたおろかな行為を並べたものです。現在は、どっしり落ちついて頼りがいのある先輩の奥さんたちも、みんなはじめはとり乱してヒステリックになっていた時期があったのです。

Q25.夫がアルコール依存症で、仕事をほとんどしません。私が働きにでようと思うのですが、知人に「それはやめたほうがいい」といわれました。なぜですか。
アル中の夫のうめ合わせをすると、夫はそれをとうぜんのこととして、よけいに働かなくなる傾向があります。しかし、いっぽうで、一日中そんな夫と顔をつき合わせていてヒステリックになると、よけいに夫をお酒に追いやる傾向もあります。まず、夫に受診させて依存症を治し、その後で、あなたが働くことが一家の精神衛生にプラスになるようであれば、働いてもよいと思います。

Q26.高校生。私が学校から帰ると、母がお酒のにおいをさせていることがあります。アルコール依存症ではないかと心配ですが、女性ための断酒会もあるのでしょうか。
女性だけの断酒会は、地区によってあるところもあれば、ないところもあります。保健所や精神保健センターに問い合わせてみてください。A・Aには若い人や女性のアルコール依存症も多いので、行きやすいかもしれません。

Q27.アルコール依存症から立ちなおるのに、くすりをつかうことはありますか。
ある期間お酒をやめて、正常な精神状態に回復するには抗酒剤をもちいることがあります。少なくとも六ヵ月単位で抗酒剤をのんだほうが断酒率はよいようです。

Q28.お酒が飲めなくなるくすりがあるそうですがjてれを飲むとお酒がきらいになるのですか。
ご質問のくすり抗酒剤ノックビン(ジスルフィラム錠)は、物理的にからだが酒をうけつけなくなるくすりであり、お酒をきらいになるくすりではありません。だから、抗酒剤をのむのを自分でやめてしまうと、またお酒が飲めるようになってしまいます。

Q29.不眠症ぎみで、睡眠薬がわりに寝酒をすこしずつ飲むようになりました。ところが友だちから「そういう飲みかたはアル中になる危険がある」といわれましたが、ほんと
このような場合、アル中になる第一歩は、量をふやしていかないと眠れなくなる「耐性獲得」です。アルコールは耐性獲得の期間がもっとも長い優秀な睡眠剤です。ただし、眠気がくる時期を外すと、頭がかえって興奮して眠れなくなることがあります。こうしたときにさらに重ねてお酒を飲んだり、また、睡眠剤とお酒をいっしょに飲んだりすると、依存症になりやすいといえます。寝酒がいつも1〜2合程度の量ですんでいるのであれば、なにも心配することはありません。

Q30.夫はアルコール依存症ではないようですが、かなりの酒好きです。お酒への嗜癖は、ドラッグの嗜癖と似ていると聞いたことがありますが、ほんとうでしょうか。
アルコール依存は、WHOの薬物嗜癖の分類では第H型のバルビタール型にはいっています。アルコールは、耐性獲得から禁断症状までをおこすドラッグなのです。ただ、そこまでの症状をおこ
すには、平均20年の使用期間を要します。この点では、麻薬などにくらべて安全性が非常に高いので、嗜好品として販売されているのです。

ノックビン(ジスルフィラム錠)の通販は、こちら→お薬館

 - アルコール依存症